クリニック激戦区で戦っていくためには、自分たちだけの武器が必要だった
他病院がやらないところを意識的に行う
当クリニックがある錦糸町は、クリニック激戦区です。
そんな中で2018年12月に開業を決めたのですが、他にも多くクリニックがある中で患者さんに来てもらうためには他の病院がやっていない事を実施する必要がありました。
大きく意識して行ってきたのは、以下の3点です。
1つ目が、総合診療による幅広い病気への対応です。
例えば風邪の症状で来院いただいた際、腰痛の相談や皮膚の相談など、複数の相談を同時に出来るという点については、患者さんにメリットとして感じていただいていると思います。
同時に相談することで、かかりつけ医としての信頼度も上がると思いますし、また金銭的にも負担を減らすことが出来るため、重要なポイントだと意識しています。
紙の問診だとどの症状でも同じ質問になってしまうため、総合診療ではAI問診による主訴に応じた問診というのは非常に役に立つと考えておりました。
2つ目が、日曜祝日と夜間の診療です。
クリニックの激戦区とはいえ、開いているクリニックが少なければ、選択肢自体が減ってきます。そんなときに総合的に幅広い症状を診ることが出来て、なおかつ日曜祝日も開いている。そういうクリニックであれば選んでいただける可能性も上がってくると考え、開業当初から日曜祝日と平日の夜間も診療を続けています。
空いているクリニックが少ないことで、その時間帯に混み合うことも多く、そこをカバーする施策が必要だったためITにより処理能力の向上を考えていました。
最後が、受付から会計終了までのスピードです。
このスピードを重視する上でユビーAI問診が必要だと考えており、正直に申し上げますと開業前から導入を決めていました。
紙の問診を使った場合、
1. 受付にて問診票の手渡し+記入
2. お薬手帳のコピーなどと一緒にファイリングして医師に
3. 問診票を見ながら診察
4. 診察後電子カルテに0から記入
5. 処方箋を発行してお会計
6. 紙の保管
というフローになりますが、AI問診であれば、上記の作業がタブレットを渡すだけで終わりになります。
それだけでなくペーパーレスにもつながる為、管理コストの削減も実現できています。
開業前から上記のようなクリニック経営をイメージしてはいましたが、最初から細部まで設計しすぎてしまうと重要視しているスピードが落ちてしまいます。
開業してからでないと分からないことも多かったので、基本的には大まかな構造を決めた上でスタートしましたが、完璧なシステム等ありませんので、今も日々細かな改善を行っています。
AI問診を使うことで医療監視への対応も日常業務で完結
開業前に、法人でクリニックの管理者をしていたのですが、一度個別指導を受けたことがあります。
一般的な注意として、とくに患者指導内容の記載が不十分を注意されることが多いことは新規指導等のケースで体験していました。
とはいえ、患者さんが多いクリニックだとカルテ作成の時間を十分に取ることも難しく、診療後に残業して追加記載、という対応しか出来ませんでした。
そんな経験があったからこそ、ユビーAI問診の話を聞いたときはカルテ業務の効率化だけでなく医療監視対策にも繋がると感じました。
患者の待ち時間を削減して満足度の向上を
開業しておいてこのような事を言うのも変なのですが、現在の生活様式と開業医のシステムがマッチしていないと感じることが多くあります。
平日に子どもが熱を出した時、お父さんお母さんは上司への説明をし、保育園へのお迎えを行った上でようやくクリニックに向かうことが出来ます。
そんな大変な思いをして到着したにもかかわらず、待ち時間が長いクリニックが多いのが現状です。
待ち時間の間はお子さんのそばにいる必要があるため、家事等他のことに時間を使うことも出来ず、待ち時間が長いほど普段の生活への影響も大きくなってしまいます。
当クリニックはそのような状況を作りたくなかったので、ユビーAI問診を始めとしたITツールの導入進め、待ち時間の削減を注力してきました。
導入して得られた効果
効果1:医師の問診時間が50%削減され、待ち時間の削減に
実際ユビーAI問診を導入したことで、院内滞在時間が平均40分→20分になるなど、50%の削減に繋がっています。
ユビーAI問診を利用することで、診察時には充実した問診結果が届きます。カルテ記載内容を0から内容を作成するとなると、ある程度まとまった時間が必要になりますが、ユビーAI問診で作成された内容があれば少し追記・修正するだけで電子カルテへの入力作業も完了します。
次の患者さんが来るまでの間に記入が終わることが殆どで、診察の間の時間も短く保つことが出来、なおかつその時間を有効活用出来ています。
全体の時間削減により、患者満足度に寄与していると思いますし、お待たせしないことで待合室の密も防ぐことが出来、withコロナ時代に大きく役立つツールだと感じています。
もちろんユビーAI問診以外にも工夫している点は多くありますが、ユビーAI問診を使うことで待合室での待ち時間も無駄にならないのが大きなメリットだと考えています。
開業から3ヶ月ほどで月1,000人以上の方に来院いただけるようになりましたが、滞在時間の削減がなければ実現できなかったと思います。
効果2:年1回の医療監視に対応できるように
できるだけ患者さんの待ち時間を削減しようと考えている一方で、医師の業務効率化も整備する必要があります。
初診患者の診察内容をカルテに書くことは想像以上に大変です。
その内容を端的に書いてしまうと国の監査のタイミングで指摘を受けてしまうのですが、監査をクリアするだけの量を書くとなるとかなりの工数を割く必要が出てきてしまいます。
電子カルテ上で、工数を減らして量を記載できるような形にもチャレンジしたことがありますが、そのやり方は役人のウケが良くはありませんでした(笑)
ユビーAI問診を使うと監査にも対応出来る量の情報が最初から記載されていますので、その内容に診察内容を追記し、コピー&ペーストするだけでカルテ入力が済むようになり、非常に助かっています。
効果3:事務員の業務削減にも
日々多くの方に来院頂いている中で、ユビーAI問診を使うことにより紙自体の削減にも繋がっています。
今までだと、紙の問診票とお薬手帳のコピーなど複数の書類が同時に届くこともあり、管理コストだけでも馬鹿にならない規模になりかねませんでした。
それ以外にも、患者さんとの問診票のやり取りもなくなるため、届くまで医師が情報を把握できないというような状況も避けることが出来ています。
受付目線で見ても、紙の受け渡しやファイリングして医師に渡すプロセス、保管作業など多くの業務削減にも繋がっています。
お薬手帳のコピーに関しては、ユビーAI問診にはお薬手帳のスキャン機能でカバー出来ました。ただスキャンするだけでなく、文字起こしまで実現出来るため、受付・医師の負担ともに大幅な削減に繋がりました。
今後クリニックが生き残るためには
自分だけの価値を作る
最初にも述べましたが、自分のクリニックを選んでもらうためには理由が必要です。
そのクリニックだと他とは違いどういうメリット・強みがあるのかというのを患者さんに知ってもらい、信頼してもらう。どこでも情報を得られるような社会だからこそ、そのような工夫が重要になってくると考えています。
何度もお伝えしているように、当院ではスピードに関する徹底的な改善については努力を惜しみません。
具体的には、電話予約を一切受け付けないネット予約の徹底から、その予約システムと電子カルテも連携できるようにカスタマイズしています。
カードリーダーも導入しており、診察券が読み込まれたら来院完了になるようになっています。こうすることで来院状況がひと目で把握出来ますし、その人のカルテ情報なども簡単に確認することが出来るため、受付から診察までの流れが非常にスムーズになるように構築出来ています。
それだけでなく、細かい空き時間も無駄にしません。
当院の電子カルテはレセコン一体型なので保存に少し時間がかかるという特徴があります。
ですので、前の患者さんの情報を保存する場合は、次の人の情報をユビーAI問診で確認しつつ並行して保存することでカルテを触れない時間が発生しないように気をつけています。
他人がやってないことを積極的にする
当院であればスピードという点については他のクリニックにも負けないような価値だと思いますが、それは来院してもらわないと伝えることが難しいです。
そのためにも、まずは選択肢として選んでもらうために、他のクリニックがやっていないような工夫をする必要が重要です。
総合診療の体制を作る、日曜祝日・平日夜間も診察するなど当院も選んでもらうために出来ることからスタートしています。
なれてないことはプロに任せて本当にすべき業務の質を上げる
今回開業するにあたり、今までやったことのない業務が多数ありました。もちろん自分で役所に行って実施した部分もありますが、法人化については行政書士に細かい業務も含めてお願いしました。
普段実施しないような慣れていない業務に時間を割かれてしまうのは非常に効率が悪いです。
そのような点はプロに依頼し、浮いた時間で自分のやるべきことに時間を割く方が圧倒的に効率的だと考えています。
最後に
様々なツールを導入したことで、医療者・患者さん両者に取ってメリットのある仕組みが少しずつ作れてきているのではないかと実感しています。
全体を合理的にすすめるために、リスクを排除しながら効率性を上げているのですが、時間とカルテの記載量などはトレード・オフの関係なので両方を満たすものはシステムしか無いのではないでしょうか。
仮にユビーAI問診が使えなくなってしまった場合、患者さんの待ち時間もカルテ記入時間も長くなってしまいます。
ユビーにもリクエストしたい点は有りますが、私が目指すクリニックを作るためには欠かせないツールの1つになっています。
より患者満足度の高いクリニックの実現のためにも、一緒に成長していきたいと考えております。
すみだゼネラルクリニック
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