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1回の診察あたり3分の作業時間短縮を達成。参考病名機能は研修医の学習にも有益

宮城県

日本赤十字社 石巻赤十字病院

井上 顕治 救命救急センター 副部長

病院
300~500床
医師の業務効率化
看護師の業務効率化
若手医師教育

〈ユビーAI問診の導入背景〉

●お薬手帳の情報取り込み、カルテの予診作成、参考病名の3機能に魅力を感じた

『ユビーAI問診』の機能を伺った際にまず注目したのが、お薬手帳の取り込みなどができる点、カルテの予診が作成できる点、参考病名などもいくつか利用可能な点の3つでした。これまではお薬の情報などは医師が手入力していたので、そうした工数が減らせるのは非常に魅力的に感じました。
特に救急外来の場合は、基本的に夜間対応が多いため、医師事務作業補助者の配置も難しく、記入の間患者さんやご家族をお待たせしたり、時々お薬手帳をお返し忘れたりといった問題があったんです。『ユビーAI問診』の導入によって、それらが解消されるのでは、と考えました。

〈ユビーAI問診の導入目的〉

●新しい技術を積極的に取り入れる姿勢から、前向きに導入を検討

何か非常に大きな問題があってその解決のために導入するというより、院全体としては「これは良さそうなツールだからやってみよう」という温度感で導入の検討がスタートしました。
センター長をはじめ、私を含めた他の医師たちも新しい物好きというか、新しい技術などを積極的に取り入れていく傾向があるので、それで導入に前向きだったのはあると思います。
院長とセンター長が最初から導入に前向きでしたので、意思決定の面では問題なく進みました。ただ、ちょうど日本全体の赤十字社の統合情報システムが切り替わるタイミングだったので、そこで少々時間がかかりました。システムが切り替わった後、相性の面で問題なく『ユビーAI問診』を使えるか、セキュリティ面でユビーさんのシステムを入れても問題ないか、コスト面は問題ないかなど、1つずつクリアする必要がありました。
コストに関してですが、正直なところとても安いと感じています。医療機器の場合は3,000~4,000万という桁のオーダーが多いこともありますが、予診を作ってくれたりお薬手帳をまとめてくれたりと細かい機能が豊富なシステムにも関わらず年間100~200万ということだったので、幹部の承認などもすんなりと通りましたね。

〈ユビーAI問診の導入効果〉

●導入2ヶ月半で約44時間分の作業時間を短縮!1回の診察で約3分の作業短縮となった

今年の2月15日に導入してから5月1日までの『ユビーAI問診』の利用について、試算を出したところ、医師・看護師ともに全体で約44時間作業を短縮できているという結果でした。看護師が直接患者さんに予診をとっていた時間や、医師のカルテ記入などが削減され、医師・看護師ともに1回の診察で約3分ずつ作業短縮ができている計算です。
さらに、負担感の軽減など精神的な面でも医師たちの間で「面倒な記入作業などが減って楽になった」という意見が多く、効果が現れていると思います。時間的にも精神的にも余裕ができたことで、例えば入院患者さんのカルテを診たり、必要な事務作業をしたりといった時間も捻出できるようになりました。
医師の仕事は大きく分けると、1つ目が救急外来の対応とその後の治療や検査に関する意思決定、2つ目が入院患者さんの状態管理、3つ目がカルテ作成や事務作業という風に分類できます。
そしてそれぞれの中にさらに細かな業務があり、どうしてもマルチタスク化してしまいます。しかし今は『ユビーAI問診』のシステムが、その中のカルテ記入やお薬手帳の情報などに関わるタスクを行ってくれるため、他を進める余裕ができ、取りこぼしもなくなっている印象です。

●参考病名機能は研修医のインプットに役立っている

続いて参考病名機能の活用についてですが、こちらは研修医が参考に使っていることが多いですね。「こういう病気も鑑別として上がるんだな」と、機能を参考に勉強している印象です。
ユビーの参考病名機能が逆に若手医師が自ら学ぶ機会を阻害するのではないか、と懸念される方もいらっしゃるかもしれませんが、過去に電子カルテが導入された際も同様の意見がありましたし、それに近い論調なのかな、と感じています。
事実、電子カルテ導入で能力が下がるということはなかったですし、むしろ今は電子カルテを扱えない医師の方が現場では迷惑をかけることがあります。それと同じように、今後救急外来や手術の現場はどんどんAIの補助を受けながら進んでいくでしょうから、早くからこうしたツールに慣れておくほうが建設的ではないかと思います。
もちろん、ユビーAI問診の参考病名に丸々乗っかって診療を進めるのは良くないですし、研修医にもその点は注意するよう伝えています。誰かが言った病名などに引っ張られて診断することを、私たちの言葉で「アンカリング(=錨が下ろされる)」と呼ぶのですが、アンカリングにならないよう我々も注意を促し、研修医たちにもその点は意識してもらっています。ですので、研修医が活用しているのもあくまでインプットの要素が強いと思います。

●今後はAIを使ったポリファーマシー対策サービスや薬剤師専用ソフトにも期待

今後、ユビーさんのAI技術・機能に期待していることが2つあります。
1つ目は、ポリファーマシー対策へのAI技術の活用です。患者さんが複数の薬を飲まれていて、その結果身体的もしくは社会的に問題を起こしてしまうことへの対策を、ポリファーマシー対策といいます。この対策は「この薬とあの薬は相性が悪い」「どの薬をどれくらい減らしていくか」などを考えていく必要があるのですが、AI技術とかなり親和性が高いのではないかと考えています。
2つ目は、薬剤師さん専用ソフトの開発です。お薬手帳から情報を得たり、その情報を登録したりするのは病棟の薬剤師さんなのですが、彼らのそうした作業負担を軽減できるサービスがあれば良いと思います。また、薬剤師さんが本来おこなうべき薬の最適化にも、AI技術が補助できるのではないか、と期待しています。
私自身が関わっている領域ということもありますが、この2点に関しては将来的にぜひ実現してほしいと願っています。

〈病院として目指している未来〉

●職員の中から出てきた意見を積極的に活用していく病院でありたい

当院が今後目指す姿勢として、まず、地域で唯一の救命救急センターとして地域全体にフルコミットしていくことが挙げられます。これは以前から心がけてきたことですが、今後も変わらず大切にしたいと考えています。
次に、これは院長のお考えなのですが、職員の中から出てきた意見を積極的に活用していく病院でありたい、という目標があります。これに関しては、実際に石橋院長自ら、院長室をなくしてフリーアドレス的な存在として動かれるなど工夫をされていますし、私も自分の担当する抗菌薬適正使用支援チームやポリファーマシー対策チームの薬剤師さんや看護師さんたちと1on1ミーティングをおこない、一人ひとりからお話を聞くようにしています。
病院という場所では医師が絶対的な力を持って活躍しているように考えがちですが、実際には看護師さんや薬剤師さんはじめ、さまざまな方が強い思いをもって活躍されています。そうした方々が能力を発揮できるようにお手伝いすることが、病院を経営・運営をおこなっている側がすべきことだと思います。そうした思いから、一人ひとりの意見を尊重し、それを積極的に採用していける組織を目指していきたいと考えています。

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