〈ユビーAI問診の導入背景・目的〉
デジタル田園健康特区として先行モデル
当院はスマートシティ、デジタル田園健康特区に指定された加賀市の中核病院です。
高齢化や過疎化などの社会課題に直面する地方こそ新たなデジタル技術を導入し、その活用によって、地域の個性を生かしながら活性化していくことが重要と思っていました。こと医療という分野においてデジタルで多くの病院業務を簡素化していき、日本全国に先行モデルを創りたいと考えていました。
病院運営課題のひとつに「外来患者の待ち時間」があります。
タイムスタディを行うと診察前の初診での「問診」が問題でした。「問診」は診療の入り口であり、患者さんの振り分けなど重要な場面です。定型的な訴えをされる方に対してはデジタルで病院業務を簡素化していくのに最も適しているものと考えておりました。従来は紙の問診表を活用しながら、看護師が症状や既往歴を口頭で聞いておりました。人的な対応になりますのでお越し頂く外来患者さんの数によっては看護師が不足し待ち時間が増大しておりました。地域の中核病院という事もあり、多くの患者さんがご来院されるので、ピークになると大幅に待たせてしまっていたのです。
そこで、患者さんの待ち時間削減を目的にユビーAI問診の導入を決めました。
できれば病院にお越し頂く前に、ご自宅等で正確かつ多数の患者さんを同時に問診を結出来るような体制を構築することで外来での待ち時間削減、そして看護師の業務削減ができるのではないかと考えたのです。
〈ユビーAI問診の導入効果〉
内科では約40%の時間短縮効果が
まず内科の看護師からは「業務が楽になった」という意見が多く出ています。
AI問診を活用することで、看護師が実施していた「事前問診業務」と「カルテ記載業務」が非常に簡素化された為です。
ユビーAI問診導入以前は看護師が事前問診を実施し、カルテ記載を完了させてから診察室に患者さんをご案内をしていました。ユビーAI問診を導入してからは看護師による事前問診をなくして、ユビーAI問診が作成したカルテの下書きを一部確認してから患者さんを診察室へご案内するフローにすることができたので、工程が非常に簡素化することができました。
さらに、薬剤情報の入力業務が非常に簡素化されました、その点が一番好評です。
これまでは医療事務職員がお薬手帳を情報機器で一旦PDF化したファイルを、OCRで薬剤情報を読み取り、電子カルテに自分で一薬剤ずつ整理し入力を整えていました。ただ似たような薬剤情報も多く、一部誤りが発生したり、ご高齢の方だと多くの薬を服用されているので、そもそも入力時間に膨大な時間がかかっていました。医療事務職ですので、薬剤名にも疎く、読めない文字も逐一看護師に聞かねばならず、多忙な外来で看護師の時間を奪うことになり、効率化が急がれていたのです。写し間違いによる事故も危惧されました。ユビーAI問診のお薬スキャナ機能でお薬手帳に記載されている薬剤情報の文字おこしが可能であり、看護師、医療事務からは好評です。
院内で調査した結果、具体的には診察の受付したタイミングから検査オーダーをかけるまでの時間が41.5%短縮されていました。当初目的だった待ち時間削減に向けて、一定の手応えを感じています。
次に医師からは「問診の質が一定になった」という意見ももらいます。
看護師が実施していた事前問診をAI問診が行うようになって情報が均質化されて、業務標準化に繋がっていると考えています。
これまでですとベテランの看護師と若手の看護師では、患者さんに聴取する情報の幅や深さが違っていました。患者さんもご不安があるので多くの情報をお話頂けるのですが、どの情報に注目すべきかがベテランと若手によって分かれていた為です。ユビーAI問診を活用してからはAIが主訴や症状によって聴取すべき内容を自動生成しているので均質化されました。これによって誰であっても一定の情報がきちんと医師に届いており、聞き直しが低減していき、結果的に医師の業務効率化も実現できていると思います。
感染症対策にも非常に有効
コロナに代表されるような感染症対策にも大きく効果がありました。
先ほど述べたように、患者さんがお越し頂く事前に正確かつ、多数に同時に問診を聴取出来るような体制を構築できます。感染症疑いがある方には事前に問診を実施頂き、その疑いがある場合は発熱外来など適切な場所に導線を引いておくことで、疑い患者と一般患者の接触をさせない、かつ疑い患者の滞在時間をできる限り減らすことができています。
〈今後、ユビーAI問診に期待すること〉
診療科に応じたインターフェースや内容を期待
ユビーAI問診のインターフェースは若者であれば難なく操作ができる仕様になっていますが、例えば整形外科など比較的ご高齢の患者さんが多い診療科では操作に困惑される方も一定数いらっしゃいます。ご高齢者向けに症状がある身体部位をイラストで表現する等、機能開発はして頂いていますが、引き続き診療科に応じたインターフェースのアップデートや問診内容の修正を期待しています。
救急ではさらにシンプルな問診を期待しています。ウォークインの患者さんではありますが、より早い診断や処置が重要になりますので、問診を簡素化して必要最低限のみを採取できるような形式のほうがマッチすると考えています。
紹介状の作成機能による地域医療連携へ
周囲のクリニックと日々連携している中で、ユビーAI問診で紹介状・報告書まで作成できるようになってくれれば良いのになと思っています。クリニックの先生方は各々の定型文書を持っており、それに準じて紹介状を記載してくれています。ただ業務多忙さもあって、患者さんの情報を必要最低限しか記載できない、といったことも少なくないようです。
ユビーAI問診を活用頂くことで均質的な情報を作成し、それを病診連携に活かせるとクリニックと病院それぞれにとってwinwinなのではないかと思います。
紹介状という紙もなくなることでペーパーレスにもなり、今の時代に沿っていると思います。
加賀市医療センター様ではユビーAI問診の導入により、病院運営に多くのメリットがもたらされました。問診のデジタル化による待ち時間削減や業務効率化の実現、さらに感染症対策への効果も確認されています。詳細な効果や導入事例をご覧いただける資料をご用意しました。ぜひ以下のリンクからダウンロードしてご参照ください。
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