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職員がIT化に対応する第一歩としてユビーを導入 整形外科では「いつから・どこが痛い」をより正確に把握できるようになった

東京都

医療法人社団 葛西中央病院

土谷 明男 院長

病院
100床未満
医師の業務効率化
看護師の業務効率化

〈ユビーAI問診の導入背景〉


病院として新しい取り組みを考えているタイミングでユビーと出会った


2020年は新型コロナウイルスの流行の対応に手一杯で、病院として新しいことができなかったため、「今年(2021年)は新しいことに取り組んでいこう」と職員に話していました。そのような状況でユビーの阿部社長と営業の方からお話を伺う機会がありました。
当院は電子カルテも導入していませんでしたし、実を言うと初めは、こういったAIやICTツールは難しいかもしれないと考えていたんです。それに、こうしたツールはコストが非常に高い印象もありました。しかし、お話を伺うと考えていたよりも低コストでしたし、ツールに慣れていない当院職員でも使えそうでした。
今後はこうしたツールをどんどん使っていかなくてはいけませんし、職員にもそうした意識をもってほしいと考えていたのですが、あまり大仕掛けのシステムでは職員が付いてこられない可能性があります。その点、ユビーは価格面、使いやすさ、機能の面でバランスが良いと感じ、導入を決めました。

〈ユビーAI問診の導入目的〉


職員たちがIT化を意識し、適応するきっかけとしてユビーを導入


導入の一番の目的は職員の意識改革です。世の中はどんどんIT化していて、医療もその流れにあることを知ってほしい、そのきっかけになってほしいと考えて導入しました。また、それによって患者さんからも「ずっと通っていた病院だけど、こうした新しいことをやっているんだな」と知っていただきたいという気持ちもあります。それから個人的には、AI問診で疾患を探るシステムというものが、現在どれくらいの精度なのかを、実際に使って確かめたかったことも理由の1つです。
長年仕事をしていると、どうしてもなあなあになってくる部分がありますし、違う視点を取り入れたり、新しいものをインプットしたりということが減ってきます。AI問診を使って、「こういう疾患はありませんか」など普段とは違う視点を提案されることで、医師も新たな視点をもてるのではないか、と期待しています。

〈ユビーAI問診の導入効果〉


整形外科で導入。シェーマ表示で患部を正確に把握できる


まだ導入1カ月ほどで、整形外科でしか使っていないのですが、タブレット上のシェーマで痛いところを押す機能はすごくいいですね。これまでに比べて、患者さんの痛い場所をはっきり把握できるようになりました。診察室ではどこが痛いのか的確に言えない患者さんや、「どこが痛いんですか?」と聞いても「いつから痛い。」と別の話が始まってしまう患者さんは意外と多いので、痛い場所を的確に把握できるのはありがたいです。
ただ、整形外科はどうしても「転んでケガをした」など疾患自体が単純なことが多いため、まだAIによって診断の精度自体が上がったという実感はないです。今後、内科などにも導入していけば、考えられる疾患を提案してくれるなど、効果があるのではないかと思っています。

「どこが痛いか」「いつから痛いか」などの情報が整理され、診療時間も短縮


正確に計っているわけではないですが、体感として導入後は診療時間も短くなっていると思います。さきほどの痛い場所の把握と同じように、整形外科に来られる高齢者の方は「いつから痛いですか?」と聞いても「この右膝がね~」など、別のお話が始まってしまうことが多いんです。どこが痛いのかがシェーマでわかり、いつから痛いかは「〇月〇日(〇日前)」と画面上に表示されるので、回り道の会話が減っていますね。
我々もまだ使い慣れていないため、どの情報がどこにあるかを目で探す必要はあるのですが、それでも紙問診に比べて情報量があり、まとまっているので結果的に診療時間短縮につながっていると思います。
また、導入前は「高齢の患者さんが入力できるだろうか?」という懸念がありましたが、実際に導入してみると、高齢の方を含め意外と皆さんしっかり入力してくれています。もちろん横にスタッフが付いているからというのはありますが、分からなくて適当に入力しているといった方は1割程度という印象です。
ただ、やはり入力時間はかかります。診療時間は短くなっていますが、入力には時間がかかるため、患者さんの病院滞在時間は少し長くなっているのではないでしょうか。とは言え、患者さんに自分自身の病気について認識してもらうのは大切なことなので、時間がかかっても細かく答えていただくのは意味があると思います。

ユビー導入で職員たちの「新しいものアレルギー」も減少してきた


診断面でのメリットとは別ですが、目的としていた「職員が新しいツールに慣れていく」という面でも若干の効果を感じています。職員たちの、新しいものに対するアレルギーのようなものは少し減ったように思います。
当院の職員は変化や新しいものに対して腰が重い傾向があるのですが、私としては、新しい刺激を積極的に受け入れることで、仕事の面白さや工夫する楽しさというものをもっと知ってほしいと思っています。仕事では辛いこともありますが、「辛い=楽しくない」という訳ではなくて、「辛いけど楽しい仕事」というのもたくさんありますよね。新しい技術や取り組みというものは、それを見つける手助けをしてくれる部分もあるのではないでしょうか。まだ新しいツールを通じて仕事の楽しさを見つけるところまでは行けていませんが、ユビーをはじめ新しいツールを使っていく中で、職員の中にそういう姿勢が芽生えてきてほしいと期待しています。

〈今後、ユビーAI問診に期待すること〉


既往歴や日常の運動量なども詳しく知れるとより診療に役立つのではないか


紙の問診からユビーに変えたことで抜けてしまう質問もあるため、そうした部分や追加でもっとこういうことを聞けたらありがたい、というのを実装してほしいです。例えば整形外科ですと、日常的にお仕事などでどれくらいの活動量があるのか、スポーツをしているかといった活動度を知ることができると良いですね。同じ症状でも、日々散歩やスポーツをしている方とデスクワークで運動不足の方では、診療の目指すゴールも変わってきますから。
既往歴も詳しく知ることができるようにしてほしいです。過去の病気や疾患によっても治療方針は大きく変わります。特に高齢者の方ですと既往歴が非常に多い方もいらっしゃいますし、できる限り網羅できると良いのではないでしょうか。

ツール利用と患者さんとのより良いコミュニケーションのバランス


これは難しいところなのですが、ユビー導入で診療時間が短縮されたということは、その分患者さんとの会話が減ってしまいます。どんな患者さんも、診療時間内の会話で「このお医者さんは信頼できるかな?」と見定めています。時間短縮は良いことなのですが、患者さんの心をつかむと言うか、信頼関係を構築する時間という点ではどうなのかな、と思う部分もあります。
こう感じてしまうのは、私たちがまだ導入1カ月で慣れていなくて、画面を見ている時間が長く患者さんと向き合う時間が減っているというのもあるとは思います。画面ばかり見たり、画面と患者さんを何度も行き来したりしていると、やはり患者さんは不満に思われます。
視認性の問題や慣れで解決できることかもしれませんが、ツールを使って情報を網羅・整理することと、しっかり患者さんとのコミュニケーションをとることの両立という面では、まだまだ改善の余地があるのではないかと思います。

〈病院として目指している未来〉


ツール導入で自動化を進め、その分患者さんとやりとりする時間を増やしていきたい


今後は、もっと患者さんとやりとりする時間を増やしていきたいです。そのために、それ以外のことはできるだけ圧縮できるように、こうしたツール利用などで自動化できる部分は進めていきたいと考えています。理想を言えば病院を全自動化したいのですが(笑)、それは楽をしたいのではなくて、その分患者さんと医師や看護師がよりコミュニケーションをとれるようにしたいということです。
今後も技術は進歩し続け、AIによる診断はどんどん正確になっていくでしょう。しかしどんなに技術が進歩しても、患者さんの最終的な判断は「この先生は信頼できるから、この先生に診てほしい」「この先生が言ってくれるなら、治療をがんばってみよう」だと思います。進歩した機械の診断は正確かもしれませんが、それを患者さんが信頼して受け入れてくれるかは別です。だから結局、一番重要なのは医師がどれだけ患者さんに寄り添い、コミュニケーションをとって、信頼関係を築いていくかと考えます。
私はそこで大切になってくるのは医師の人柄や、患者さんへの共感する力だと思います。今後AI技術などが進歩すればするほど、人間でしかできない部分、患者さんとどれだけ信頼関係を構築できるかが、医療の満足度にもつながってくるのではないでしょう。そう考え、自動化できる部分は自動化を進め、その分患者さんとより信頼関係を築けるよう努めていきたいです。

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