ユビーAI問診導入前の課題感は?
自由に書けるからこその紙の問診票の難しさ
大半の病院と同じく、当院でも元々紙の問診票を使っていました。
患者さんに手書きで記載いただくわけなのですが、医師が診る上で必要のない情報を書かれることも少なくありませんでした。
看護師やクラークが追加問診をするにしても、人によっては問診ではなく世間話にそれてしまい、結局こちらが聞きたい情報は聞けないままに時間だけ取られてしまう、そのようなことが起こってしまっていました。
それにより看護師・クラークが本来注力すべきような業務が滞ってしまう。これが一番大きな院内の課題でした。
看護師の手が取られてしまうと、採血の業務や患者さんへのCTや内視鏡などの検査の説明など、そういったことが遅くなり丁寧な案内が出来ないことで結果的に待ち時間はもちろんですが患者さんの満足度も下がってしまう可能性がありました。
そんな中でユビーAI問診のことを知り、デモを見せてもらったのですが、高齢の方でも使いやすそうなデザインになっていましたし、他の医師からも「これなら使えるんじゃないか」という意見をもらうことも出来、AI問診の導入に踏み切りました。
問診するにはそれなりの医療知識が必要になるので、正直それ以外の解決策を思い描けていなかったというのもありますが(笑)
症状に合わせて質問出来るという点がユビーAI問診の大きな特徴の1つだと思うのですが、それを看護師やクラークに覚えてもらうのはかなり厳しいです。そこを代替してくれるのは非常に助かりますね。
ユビーAI問診導入後の効果は?
問診時間の大幅な削減
ユビーAI問診導入前は、どんなに早い人でも7分程度、長い人だと10分を超える時間が問診に掛かってしまっておりました。
ユビーAI問診を導入してからは追加問診の手間が削減されたお陰で5分以内に終わるようになり、時間的にもかなり大きなメリットを得られています。それ以上に看護師・クラークの手が掛からないというのが非常に助かっています。
新型コロナの影響で、検温など今までは必要なかった業務が発生するようになっています。しかしながらユビーAI問診のおかげで今までは手が回っていなかった検査説明や採血などを充分にこなしつつも増えた作業もこなせるようになっています。
最初は内科でのみ導入をスタートしましたが、看護師やクラークの業務時間をかなり削減できるとわかりましたので、10月のカルテ刷新に伴い外科・整形外科・泌尿器科にも広げて行こうと準備を進めています。
もちろん、実際に問診結果を見る医師についても、必要な情報がキレイにまとまっている。既往歴が丁寧に聞いてあり非常に助かる。などの声もすでにいただいていて、導入してよかったなと実感出来ています。
高齢者でも9割以上が問題なく回答
また、良い意味で裏切られたのが高齢者の利用についてです。
説明を受けた際に、「高齢者の方でも問題なく使うことが出来ます。」と言っていただいたのですが、さすがに半信半疑でした。
ただ使い始めてみると95%以上の方が問題なく入力できている状態です。感覚としては20人に1人手助けが必要な人がいるかどうか、くらいの感覚でほとんどの方がご自身で入力を完了できています。
紙での問診の際にも少なからず質問は来ていましたので、ユビーAI問診に変更したことによる対応の増加など、ほとんど感じておりません。
勝手に20-30%が入力できていないと思っていて、現場に聞いてみたら「いやいや、ほとんどの方が入力できていますよ。」という答えが返ってきまして、本当に期待以上でしたし、看護師からの満足度も非常に高いです。
専門以外の知識が得られるメリット
医師には専門分野がありますが、それだけを知っていれば良いというわけではありません。
もちろん専門分野であれば患者さんへの診察時に確認する内容も頭の中に入っていると思いますが、専門外になるとどのような質問が必要なのか曖昧になってしまう場合もあると思います。
そんな時に、ユビーAI問診の問診方式を知っておけば、どのように質問をしていくことで病名を導き出すことが出来るのかというロードマップを蓄えることが出来ると考えています。
若い経験が無い医師こそ、たくさんのデータを抱えるAIを活用し、より早い成長の糧にしてほしいと思っています。
病院経営についての考え方
地方だからこそ出来る魅力の伝え方
鳥取県の中でも米子地区は比較的医療面では恵まれているエリアなんです。
大学もありますし、「山陰労災病院」のような大きな病院では重症な救急患者の受入なども行っています。それから「米子医療センター」と当院「博愛病院」ですね。それぞれが1次~3次救急に対応するような病院が地域内に複数存在します。
なので救急のたらい回しのようなことは起こりにくくなっています。
とはいえ、最先端の医療を学ぶとなると、やはり設備的な面を見ても都会の病院には及びません。学習意欲の高い若い医師は東京や大阪に出る人が多いのが現状です。
当院の特徴として、急性期から慢性期、在宅まで含めた治療を行っています。患者さんの初期症状から最後まで一体にして診ることが出来るのは地方病院ならではの特徴かと考えています。
患者さんの症状を診るだけでなく、生活や背景も含めて診ることが出来るということですね。
どういう病院にしていきたいか
国は在宅医療を推進しています。
当院としても訪問医療をさらに拡充しようとしており、上述したように患者さんを一生涯サポートしていけるような体勢が整ってきています。
その体勢を作るためには、医者は診るだけではダメで、看護師やリハビリ、管理栄養士など他職種全体で病気に関わって行き、退院後に再入院をしなくて済むようなことをやっていく必要があります。
これからも博愛の精神を忘れず、地域貢献を第一に病院運営をしていくつもりです。
社会医療法人同愛会 博愛病院
〒683-0853 鳥取県米子市両三柳1880
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