患者待ち時間と監査対応の課題
完全予約制でも患者さんの長い待ち時間
当院は完全予約制でやっていますが、多くの新患がいらっしゃれば1時間ほどお待ちいただくこともありました。長い待ち時間は、患者さんにとって全く生産的ではなく、ストレスが溜まるばかりです。こうした待ち時間の長さは課題となっていました。
不十分なカルテ記載による監査対応負担
当院でも定期的に厚生局の個別指導があります。カルテに記載した内容や、行った検査の目的などがチェック対象です。忙しい先生だと十分な記載が出来ておらず、監査の際に不備があるとされ指導が入ったりしていました。こうした個別指導への対応も大きな負担となっており、カルテ記載の充実化も大きな課題です。アメリカの電子カルテは保険会社から査定されないためにディシジョンサポートシステムになっていますが、日本の電子カルテにはそのような機能が無い点が問題だと思っていました。
ユビーAI問診導入で得られた効果
同一時間内での診察可能人数が40人から60人に。監査対応も簡便に。
導入して一番の効果は、より多くの患者さんを診られるようになったことです。
ユビーAI問診は、患者さんの待ち時間を活用して初診問診を完結できるのが非常に助かり、しかもカルテへの記載はコピー&ペーストするだけなので便利。導入前は午前9時から12時の間に40人ほどを診ていましたが、導入後は60人ほど診られるようにまでなりました。
待ち時間も、新患が多いときには1時間ほどお待ちいただいていたところが、現在では時間通りに診察が出来ています。全く生産的ではなかった待ち時間を活用して、カルテの記載を患者さんと協力して作ることができるところがいいところで、結果としてユビーAI問診導入後に、個別指導で指摘をされることはなくなりました。
医師としての視野を広げるチャンス
たとえば内科の先生が胸の写真を診るとき、大体は肺野に何かないかを見ています。一方で、画像診断のプロは心臓の影や肋骨の重なりの裏の影など、より細かいところも見ています。「AIがどんな参考病名をひっかけているのかな」という目で見ると自分の視野を広げられます。ユビーAI問診を使い始めた当初は、参考病名表示の内容についてはまだまだだなと思っていました。今では希少疾患が挙がっていると、このような疾患の表示理由を自分で考えて、それに対してもう一度診てみるというチャンスになっています。
スタッフや患者さんからのポジティブな反応
紙の問診がなくなったので、これまで行っていた電子カルテへの取り込み作業や、患者情報を入れてマッチングしたりなどのスタッフの手間が全く無くなりました。患者さんには最初は誰かが付いていないとダメかと思っていました。実際に導入してみると、ほとんどの人がタブレット入力で問題なく、直感的に使いこなしています。
ユビーAI問診への今後の期待
診療をしていて特に課題が大きいと思っていたのは、お薬手帳というアナログな手帳。当時(2017年頃)、OCRで読み込んで後発品でも名前がわかって薬効まで紐づけて欲しいと(Ubie共同創業者の)久保さんに伝えたら、1ヶ月で作ってくれました。
新たに提供開始された、適切な医療機関を紹介する生活者向けサービス(ユビーAI受信相談)も、医療現場と生活者双方の負担を軽減できる点で素晴らしいです。
次はやはり、再診患者に対する問診システムを期待しています。現在は初診患者のみに利用していますが、再診用のAIも非常に重要でしょう。検査結果のデータなども読み込んで再診のときに聞くような質問の結果が医師にフィードバックされるようなディシジョンサポートシステムを、AIがサポートしていくべきだと考えています。
宇都宮セントラルクリニック
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