ユビーAI問診のロゴ
短い患者さんでも5分、長い患者さんなら5~15分診療時間が短縮。AI問診で必要な情報が事前に取得できるようになったのアイキャッチ画像

短い患者さんでも5分、長い患者さんなら5~15分診療時間が短縮。AI問診で必要な情報が事前に取得できるようになった

熊本県

社会福祉法人恩賜財団 済生会みすみ病院

築村 哲人 消化器内科部長

西村 美香 外来・手術室 看護師長

田中 志保 外来・手術室 主任看護師

角本 優美 医療秘書グループ リーダー

山内 剛志 情報システム室長

病院
100~300床

〈ユビーAI問診の導入背景・目的〉

導入前は受付スタッフが紙問診をおこなっていた

当院では看護師ではなく事務スタッフが紙問診票を使って患者さんに問診をおこなっていました。事務スタッフには医療知識が十分に備わっていないこともあり、事務処理的な作業になってしまい、情報量や正確性などに課題を感じていました。これまでは症状について確認することは「どのあたりが痛いのか」「いつから痛いのか」の2点のみで、それ以上の詳しい質問ができないのが実情でした。結果的に医師の診察時間が長くなり、また看護師が追加で問診を行うケースもありました。
「働き方改革」や「タスクシフト」に関するセミナーなどを通じて、ユビーAI問診のことを知り、「これなら当院の課題解決にマッチするのでは」と考え、導入を検討し始めました。問診システムについては他社の製品・サービスも検討しましたが、AI技術を活用してあることや、既に多くの病院で導入実績があることを理由に選定しました。
新しいシステムを自分たちでメンテナンスするのは大変ですし、頻繁にアップデートやサポートがあることは安心できました。そして、コスト面においても年間約150万円の価格ですが、導入後の印象として事務スタッフ1人分以上の仕事をしてくれていると感じていますので、十分なパフォーマンスを得られていると思います。
導入過程においては、必要性や効果について反対の意見も一部ではありました。しかしながら、院長を含む最終決裁を行う管理運営会議において、デジタルやAIの活用などの時代の変化に前向きにチャレンジするという方針を打ち出してもらっていたので、何とか運用開始までこぎつけることができました。

問診時間ではなく診療時間を短縮し、医師・看護師の負担を減らすことが狙い

一番の導入目的を、「医師の診療時間短縮」や「看護師の負担軽減」と設定していました。
問診時間自体の短縮はあまり考えておらず、むしろ問診自体は紙問診よりも時間がかかるだろうと予想していました。ユビーAI問診導入後も、タブレットを渡し案内をするのは事務の受付スタッフなのですが、紙問診からAI問診になることで情報量や正確性が増し、その後の看護師や医師の時間短縮・負担軽減につながれば、と考えていました。


〈ユビーAI問診の導入効果〉

診療科や症状ごとに必要な情報が事前に取得でき、診察時間が短縮された

まず医師からの意見ですが、問診の情報が充実したことで診察時間が短縮されました。例えば、消化器内科で内視鏡検査を受けられる場合、「前立腺肥大や心疾患の有無」などの確認が必要ですが、そういった情報をAI問診で事前に取得できるようになり、診察時間の短縮につながっています(正確には、導入をきっかけに運用の見直しを行い、これらの定型質問を受付スタッフが問診時に確認する様に変更しました)。
内視鏡検査を受けられる患者さんでは、短くても約5分、家族の付き添いがない高齢の患者さんだと10~15分は短縮されている印象があります。1人あたりでそれだけの短縮ですので、トータルではかなりの時間短縮になっています。

紹介状の取り込み機能で情報収集が容易に

看護師からは、「情報が集約されることで、情報収集が容易になり、必要な検査の予測などの判断がしやすくなった」という声が上がっています。これに関しては、紹介状をスキャナで取り込むことによって、必要な情報を画面上で見つけられるようになったことが大きいと思います。以前は、複数枚ある書類をめくって必要な情報はどれで……といちいち探さなくてはいけなかったのですが、そうした手間が少なくなりました。情報を集約化することで、必要な情報を見つけるまでの時間短縮につながっていると感じています。
それから、導入前に比べると「詳細な追加問診が必要になり、看護師が確認する」というケースはほとんどなくなりました。
もう一つ評価する点として、患者さんとの会話がスムーズになることが上げられます。口頭で質問すると患者さんがいろいろな症状を言われて、後から「いついつに、こんな症状があって」と話が前後し横道にそれることも多かったのですが、AI問診は必要な質問を順番に聞いていく仕組みなので、会話をスムーズに誘導できることも評価のポイントです。

発熱外来でスマホ問診を利用。電話問診に比べ大きく時間短縮・負担軽減になった

もう1つ看護師の負担軽減効果として、「スマホ問診ができることで、電話問診の負担が減った」というものがあります。
今年の8月に発熱外来がピークを迎えたのですが、接触を避けるために、スマートフォンの操作ができる患者さんには、スマホ問診のご案内をするようにしました。発熱外来は比較的若い患者さんが多かったこともあり、60代くらいまでの方はご対応いただけました。
これまでは接触を避けるために電話問診をおこなっており、1件に約20分かかっていましたが、スマホ問診の利用で5~10分まで短縮されました。しかも、電話問診をしている間は他の対応や処置ができなかったため、その負担が軽減出来たという面でも非常にメリットがありました。
救急外来においても、比較的軽症の方にはスマホ問診を案内して、時間の短縮を図るようにしています。地域の患者さんにAI問診が浸透していくとさらに効果を発揮しますので、広報活動も積極的に進めていきたいと思います。

「医師のサポートがしやすくなった」という声も

最後に、医療秘書や事務スタッフから見た導入効果です。医療秘書からは、「情報提供書や持参薬情報が、事前にスキャンされているため、診察時に医師と一緒に画面上で確認できるようになった。以前の”頭が痛い” ”お腹が痛い” だけの情報でなく、主訴や現病歴の情報が詳しく分かることで、患者の状態が事前に分かり、サポートがしやすくなった。問い合わせや疑問点への対応がスムーズにできるようになった」という声が上がっています。

〈導入によるメリットと課題〉

薬の効果・効能がすぐに分かる機能が非常に便利

導入効果で挙げた以外のメリットとしては、薬の効果・効能が見られる機能がよいですね。本や電子カルテに比べて、検索などの手間がいらず、カーソルを合わせるだけで効果や効能を知れるのはありがたいです。
事務スタッフは薬の名前だけではピンとこない場合がありますし、看護師でもジェネリック薬になると知らない薬も出てきます。薬についてすぐに調べられるのは、非常に大きなメリットになっています。

鑑別診断機能のさらなる進化を期待したい

医師としては、鑑別診断の機能が気に入っています。最終的には診断をつけないといけませんので、考え違いしていないか確認の意味で鑑別診断の機能は非常にありがたいと感じています。私たちが考える鑑別疾患より多くの疾患を挙げてくれるので、見落としが少なくなるというメリットがあります。逆に多すぎるが故にデメリットになることもあります。鑑別疾患としては考えにくいものも入っている場合もあるので、AI技術についてはまだ改善の余地があると感じています。また、可能性が高い鑑別疾患が上から順に並んでくれるようになると、もっと良い製品になると思っています。

〈今後、ユビーAI問診に期待すること〉

ユビーという会社自体に勢いを感じるので、このまま進化を続けてほしい

機能面の要望としては、問診内容の追加を依頼したらすぐに追加されるようにしていただけると助かります。
大きなところでは、ユビーという会社自体に勢いがあって進化している印象があるので、今後もそれをぜひ継続してもらいたいと思います。
導入支援サイトや導入後のサポートも非常に整っていて安心して利用できますし、ぜひ今後も医療に役立つシステムをご提供いただければ幸いです。

お役立ち資料

資料ダウンロード病院経営の成功事例集
資料ダウンロード