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発熱外来問診のスタッフ数がユビー導入で10人→2人に。業務効率化に加え残業時間や人件費の削減も実現

沖縄県

医療法人徳洲会 南部徳洲会病院

山本 副看護部長

當山 情報システム管理室

上原 看護師

金城 看護師

外来スタッフ 一同

病院
300~500床
看護師の業務効率化
問診効率化
タスクシフティング
患者待ち時間削減
人材不足解消

〈ユビーAI問診の導入背景〉

 コロナ以降10名のスタッフが発熱外来につきっきり。問診業務の負担軽減が急務だった

 新型コロナウイルス感染症が広がって以降、当院最大の課題だったのは、発熱外来の問診に人手を取られすぎていることでした。沖縄県で最初のコロナ患者は、実は当院を受診して診断された患者でした。とはいえ、始まった当初は発熱外来の実施の方法も手探りで問診についても外来の看護師が普段使用している問診を使って別室で実施していました。その後2020年4月から患者が増加したためドライブスルー方式での外来が開始となり携帯電話を使用しての問診が開始されました。発熱外来の体勢を整えつつある2020年夏頃には、発熱外来の患者数が爆発的に増加し、午前と午後で20名ずつ計40名の枠を取って対応していたのですが、あっという間に予約で埋まってしまう状況になってしまいました。

感染対策のために、院外に建てたプレハブを発熱外来のブースとして使用し、問診は電話にて対応。始めは外来看護師2、3名で電話問診をおこなっていましたが、それではまったく間に合わず、手が空いているスタッフ全員で問診業務を進めていくことになりました。

看護部長を始め、副看護部長、医療安全の師長、看護部の秘書や医事課のスタッフまでも駆り出し、約10名のスタッフが午前中はフル稼働で問診業務にあたっている状態になっていました。さらに、電話問診は病院の一般回線を使っていたため、午前中は回線がパンクして一般の問い合わせ電話などを受けられないという事態も多く起こりました。そんな状態が約1年半も続いておりました。

そんな中、2021年の12月頃から、医師や看護師のタスクシフトの話題が出始めました。特に、発熱外来の問診に約10名のスタッフが関わるため、午前中はまったく他の仕事が進まないというのは非常に大きな問題でした。なんとか問診業務の効率化を図れないか、上手くタスクシフトできる方法はないかということで、Web問診導入の検討がスタートしました。

ユビーを知ったのは、グループ病院の湘南藤沢徳洲会病院が先んじて導入していたからです。導入にあたっては他社とも比較しましたが、ユビーAI問診は、感覚的に操作でき、問診内容を1クリックでカルテに転記出来る点が良いと感じました。導入に際してのコンサルテーションで親身に対応いただいたこともあり、最終的にはユビーAI問診を導入することで決まりました。

 〈ユビーAI問診の導入目的〉

 発熱外来では看護師の問診負担軽減、内科では待ち時間の短縮が目的 

現在当院では、発熱外来、内科、泌尿器科にユビーAI問診を導入しています。発熱外来に関しては、看護師の問診業務にかかる負担を減らすことが導入の目的でした。電話問診はスムーズな場合は1人あたり約10分で済みますが、患者さんが高齢者の方ですと、1人あたり約30分かかることもあります。電話問診にかかる時間をいかに短縮し、看護師がそれぞれの本来業務に注力できるかが課題でした。

内科の課題は、患者さんの長い待ち時間です。特に、初診の患者さんの場合は診察までに平均1時間の待ち時間が発生しており、患者さんからもご不満の声が上がっていました。待ち時間を短縮し、患者さんに「長い」と感じさせないための工夫として、ユビーAI問診を導入しました。

 泌尿器科でも導入開始。紹介患者さんの問診取り漏れ防止や待ち時間短縮に活用したい

 泌尿器科では最近導入を開始しました。当院の泌尿器科は、近隣の介護老人保健施設からの紹介患者さんが多いのですが、紹介患者さんの問診取り漏れという課題があります。

施設紹介患者さんの場合、来院時は施設職員の方が付き添われていますが、来院されるとご家族にバトンタッチし、職員の方は施設に戻られてしまいます。患者さんの日常生活を一番把握しているのは施設職員の方ですが、問診時に職員の方がおらず十分な問診が取れない、という状況がしばしば起こります。そのため、ユビーの来院前問診を施設職員の方にご活用いただければ、紹介患者さんの問診の取り漏れが防止できるのでは、と考えています。

また、泌尿器科は内科以上に患者さんの待ち時間が長いという課題もあります。紹介患者さんが多い、近隣病院に泌尿器科が少ないといった理由から、平均で約3時間という非常に長い待ち時間が発生している状況です。ユビー導入によって、今後少しでも待ち時間が減らせるよう期待しています。

 〈ユビーAI問診の導入効果〉

 導入初日から発熱外来でのユビー入力率は8割超え

最初は発熱外来に導入しました。運用開始直前まで「おそらく8割の患者さんはご自身で入力してくれないだろう」というのがスタッフの見解でした。理由は、沖縄県は土地柄かITに疎い方が比較的多い印象があるためです。「入力してくれない患者さんは、これまで通り自分たちで問診を取ろう」と話していました。

ところが実際には私たちの予想とは逆に、導入初日に8割以上の患者さんがご自身で問診を入力してくださいました。この結果を得られたのは、ユビーさんのアドバイスに従って、患者さんに選択肢を与えないという運用ルールで進めたことが大きいと考えます。「ご自身で入力されますか?スタッフが聞きましょうか?」と選択肢を与えるのではなく、「ユビーAI問診でやってくださいね」とお電話でお伝えしたことで、入力率8割の結果を得ることができました。

その後、内科でもユビーAI問診を導入しましたが、60代までの方なら問題なく入力できることが多いです。70代を超えると、スマホを持っていない方や普段からネットに触れる機会のない方など、できない方が一定数いる印象があります。それでも、これほど多くの方がご自身で入力してくださったことは、非常に嬉しい驚きでした。

問診業務の人手が10人から2人に。各々が本来業務に戻り、残業時間や人件費の削減にも 

初日から8割の患者さんがご自身で問診の入力をしてくださったことで、電話問診の時間が大幅に削減されました。導入前は1件当たり短くても約10分、長いと約30分かかっていた電話問診時間は、1件当たり5~10分に短縮。導入前は管理職や医事課スタッフも駆り出し、午前中は10人がかりで問診業務に対応していたのが、ユビー導入初日からすぐに、外来看護師2名のみで対応できるようになりました。

特に、看護部長、副看護部長、顧問といった管理職のメンバーが本来の業務に戻れたことは、病院全体に非常に大きなプラスになったと感じています。現在、発熱外来は常時看護師2名で対応していますが、その2名も忙しくて他の業務ができないという状態ではなく、余裕をもって業務を進められています。

導入前は休憩時間を削って問診対応をせざるを得ないこともありましたが、今では休憩もしっかりと全員がとれています。さらに、問診業務に人手がいらなくなったことで、看護師の残業時間が減り、人件費の削減にもつながりました。どの看護師も、導入以前より平均して1時間以上早く帰れるようになっています。人件費に関しては、少なく見積もっても1ヶ月当たり60万円以上の削減につながっています。

内科では、患者さんの待ち時間のストレス軽減に効果が出始めている

 発熱外来に続いて内科に導入しました。こちらでの目的は待ち時間の短縮と、患者さんの待ち時間のストレス軽減、それによる満足度向上です。

現在のところ、数字的に大きく待ち時間の短縮ができているわけではありませんが、患者さんのストレス軽減という効果は出始めていると感じています。導入以前はただ順番待ちをしていないといけなかったのが、タブレットを渡されてご自身で入力するという工程がある分、「受付した後、ほったらかしでただ待たされている」という負担感は減らせているのではないか、と思います。また、看護師の問診負担が減った分、診察や検査の業務で集中して患者さんをケアすることもできています。

実際に、導入後は待ち時間に関するご意見は減ってきていますし、今後活用を続けることで待ち時間短縮も実現し、さらなる患者さんの満足度向上につなげていきたいです。

 〈今後、ユビーAI問診に期待すること〉

 最大のネックは質問の多さ。Web問診では病院ごとのカスタマイズも検討してほしい

主に内科の問診に関してですが、質問が多すぎて問診全体が長くなってしまうことが最大のネックだと感じています。ただ、それに関しては今後AIが学習を重ねたりシステム自体がアップデートされたりすることによって、不要な問診が整理されていくと思いますので、今後の改善に期待したいです。

それから、これはAI問診システムでなくWeb問診システムの話になりますが、病院ごとに完全なカスタマイズ問診ができると、より望ましいかと思います。現状では、当院で必ず聞かなければならない項目が入っていない場合は、看護師が追加問診をおこなっています。しかし、Web問診でテンプレートの質問を追加するなど病院ごとのカスタマイズができれば、追加問診の必要がなくなり、看護師の負担軽減やパフォーマンス向上にさらに大きな効果があると思います。

 〈南部徳洲会病院様の今後の取り組み〉

 患者満足度向上や医師のタスクシフトの武器として、ユビーAI問診の活用を広げたい

 病院として最も大切なのは、患者さんの満足度を上げていくことだと考えています。その考えに基づき、今後も患者さんの満足度向上につながるツールやシステムを積極的に取り入れていくつもりです。ユビーAI問診は、患者さんの待ち時間短縮、待ち時間の精神的負担の軽減という面で、満足度に関する大きな武器になると思いますので、将来的には外科を含めた全科で導入したいです。

また、2024年には医師の働き方改革も控えています。現状、当院でユビーAI問診を使っているのはほぼ看護師と医療秘書で、医師の活用はほとんどおこなっておりません。今後は、医師の事務作業などにもAI問診を活用し、医師の業務負担軽減にもつなげたいと考えています。

 


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