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患者さんの滞在時間を20分以上削減できた仕組みづくり

岡山県

公益財団法人 操風会 岡山旭東病院

土井 英之 副院長

榊原 祥裕 情報システム室長

病院
100~300床
問診効率化
患者満足度向上
タスクシフティング
患者待ち時間削減

ユビーAI問診導入の背景は?

ユビーAI問診導入のきっかけは、先代の院長から話があったことです。
先代の院長の知り合いとUbieの担当者が提案してくださり、今後避けられない人材不足により業務効率化を求められる時代に取り残されないためにも、新しいことは積極的にやってみようという風土なので、すぐに導入に向けて動き始めました。

元々ユビーAI問診への期待していた点としては、患者さんが自身の主訴に応じた質問に答えてくれることによる滞在時間の削減でした。
紙での問診だと、どの症状でも同じ質問になってしまい、事前に聞いておくべき内容が確認できていないことが多々あります。そこが改善できると問診だけでなく診察時間も削減できると考えておりました。

また、国からも発表があった通り、2024年までに時間外労働を940時間以内に削減する必要が出てきています。
当院でも例に漏れず医師の働き方改革を進める必要があるため、ユビーAI問診はそこにも一役担ってくれるのではないかと期待を持っていました。

ユビーAI問診導入による効果とは?

20分以上の滞在時間削減による患者満足度アップ

明確に表れた効果の1つとして、患者さんの滞在時間削減です。
問診が必要な初診患者について 導入前と導入後で比較した時に、
・受付~診察までの待ち時間は3.5分(53.4分→49.9分)
・受付〜会計までの滞在時間は21分(189分→168分)
が削減されています。
患者さんの待ち時間を減らすために10年以上かけて様々な施策を打っていましたが、ここまで滞在時間が減るというのは、正直驚きました。(笑)

ユビーAI問診導入により、様々な役割の人の動きが負担軽減されており、
・受付時の対応
・医師の診察時間
・看護師の業務
・医師事務作業補助者の記載業務
など複数の面で少しずつ改善されているからこそ大きな成果を出せたのだと思っています。

以前の紙の問診票だと高齢の患者さんより、「回答内容を受付に確認しないとわからない」「なんと書けばよいのかわからない」といった意見をいただくこともありました。
しかしユビーAI問診に変わり、タブレットで選択肢をタップするだけで問診が完結するため、これまで受付事務がサポートしていた工数が削減できただけでなく、患者さんの不明点が減って満足度向上にも影響していると感じています。

受付については、従来手書きの問診票を受け取って全てスキャンする必要がありましたが、ユビーAI問診の導入で全く不要になりました。朝の混雑時間帯ではスキャン待ちも発生していたため、かなりの時間削減になっています。また問診票受取の際に、字が読めない部分や記入漏れ箇所の確認などに時間を要していましたが、その必要もなくなりました。受付職員の業務負荷はかなり軽減されていると思います。

看護師は従来スキャン済の問診票を電子カルテで確認しながら、診察室の振り分け等を行っていましたが、ユビーAI問診の導入で患者さんが問診入力済のタブレットを受付に返却したタイミングですぐに電子カルテで参照できるため、問診内容の確認がとてもスムーズになったと喜んでいます。

医師の診察に関しても、問診内容が充実しているため、事前に患者さんの情報をある程度把握することが出来ます。その上でヒアリングすることができるため、より短時間で患者さんの深い情報を得られるようになりました。

また当院は普段の診察時、医師事務作業補助者が医師のサポートをしています。医師のカルテ入力業務などをサポートすることで、カルテ記載の質向上と医師が患者さんと向き合う時間の確保に寄与しています。

これまでは紙の問診内容や診察内容を読みやすい状態で医師に提供するため、医師事務作業補助者の入力作業にかなり時間がかかっておりました。
さらに、医師の入力業務をタスクシフトすることでより多くの患者さんを診られるように、また待ち時間を減らせるように工夫していたため、医師事務作業補助者に業務負荷がかかっておりました。
ユビーAI問診の導入で主訴に応じて聴く内容が変化し、より充実した問診が届くため、医師事務作業補助者自身の作業量を軽減することができました。

また紹介状やお薬手帳もOCRで自動的に文章ができあがるため、期待以上に業務量が削減できています。

来院前問診で更なる待ち時間の削減を

5月半ばより、病院のホームページに来院前問診への導線を追加しました。
来院前問診には非常に期待しており、今後はさらに多くの方に使っていただけるようお伝えしていきたいと思っています。

現在当院ではユビーAI問診のタブレットを5台利用しています。
しかし朝の混み合う時間帯では5台でも不足することがありますし、また初めてご利用いただく患者さんにはタブレットの使い方について説明が必要になります。

来院前問診であればご自身のスマホで簡単にご利用いただけるので、焦って入力する必要もなく来院時の待ち時間削減にもなるため、さらなる患者満足度向上にもつながっています。
また、自宅での入力で不明点があればご家族に相談しながら入力できるため、上述したような説明が必要なくなり事務の負担削減にも繋がっています。
これは導入時にはなかった機能でもあり、想定していなかったメリットです。

地域医療連携の面でも、患者さんをご紹介いただく際に事前に入力してもらうことで、お互いの手間や情報共有のコストを減らすことが出来ると感じています。

医師からの反発なく導入できた初めてのツール

上述したとおり病院の風土として、患者さんのために繋がるのであれば新しいツールを積極的に取り入れています。
普段から新しいツールを導入する際には医師からの反発が多少なりともあります(笑)

ただし、ユビーAI問診は今まで導入してきたツールと異なり、
・患者さんの個人情報を扱わない
・問診情報の充実や病名辞書など医師に役立つポイントが多い
・若手医師などのスキルアップに繋がる
など、議論になりやすいポイントは整備されていて、なおかつ患者さんへのメリットも大きいという点から、不満が出ず速やかに浸透していきました。

今後の医療経営に必要なものとは

全員から意見が出てくる風土作り

当院で意識していることとして、役職・職種に関係なく全員が発言しやすい風土作りを行っています。
みんな多くの意見を上げてくれますが、特に現場に近いコメディカルから多く提言があり、細かい改善に繋がっています。
このように上から指示するのではなく、当院に関わる全員がどうすれば良くなるかという点を意識し、ひいては全員が経営者という目線を持つことが今後より重要になってくると考えています。
上記の風土が整っていたため、現場の業務改善に繋がるユビーAI問診は導入までスムーズに至りました。

ユビーAI問診含めツールも導入するだけでなく、実際に浸透させ継続させる仕組みを作るのが本当に大事です。ちょっとしたことではありますが、そこが出来ているかどうかで業務効率に繋がるかが大きく変わってきます。
実際、ユビーAI問診を使う際にもクラークが医師に応じて情報の入力を変更するなど現場でそれぞれ工夫しているため、活用する医師も増えています。

便利なツールは日々増えてきておりますが、どのツールを導入するのかというルールを明確にする必要があると考えています。
当院でもガイドラインを作ろうとしており、
・患者さんに有用であること
・医療従事者の働き方改善に繋がること
など、当然ではありますが明文化する予定です。
それを全員で意識し、病院全体としての方向性がずれないようにしたいと思っています。

変化に合わせて改善を繰り返す病院作りを

ユビーAI問診は改善要望を出したらすぐ反映され、本当にスピーディーです。
具体的には、10月10日にデモを受けた際に出てこなかったある病名がありました。しかし1月17日の運用開始時には問題なく予測の1つとして表示されるようになっており、改善スピードの速さを目の当たりにしました。

細かな改善はもちろんですが、来院前問診など新しい機能も短期間の間に増えており、ほかにも他病院の事例を共有いただけたりと、一緒に進化していけるのもユビーAI問診の大きなメリットの1つだと感じています。

ITの世界は本当に日進月歩で、病院側も日々改善を繰り返して成長していく必要があります。
現状に満足することなく、新しいことにもどんどんチャレンジし、もっと患者さん・地域の皆様・職員全員にとって良い病院でいられるよう邁進していきます。

公益財団法人 操風会 岡山旭東病院
〒703-8265
岡山県岡山市中区倉田567-1
https://www.kyokuto.or.jp/


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