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問診の充実により、職種を問わない情報共有の最適化を実現

山形県

日本海総合病院

島貫 隆夫 病院長

病院
500床以上
新型コロナウイルス感染症対策
地域医療連携
若手医師教育
職種間の情報連携

ユビーAI問診導入の背景

当院は630床ある急性期病院になるのですが、紹介以外の新規外来や救命救急センターでの対応において、もっと効率化出来るのではないかと考えていました。
救急救命センターに関しては、一般診療の医師が診療をしています。専門の診療科以外の患者さんについても診る場合がありますので、そのような際にAI問診であれば専門外の診療サポートが出来るのではないかと思い、検討を開始しました。
実際にデモを見たときも、問診結果に応じて参考病名が表示されたり、お薬手帳をスキャンすれば、現在飲んでいる薬の効果も知ることが出来るなど、知識外の情報を調べる時間の削減にも繋がるかと思いました。
また、ユビーAI問診導入前は、医師が追加問診した情報も含め、看護師・クラークが聞き取りをし、その後、電子カルテに転記するというフローになっておりました。医師としても基本的な質問をする必要があり、診察時間が長くなってしまう、看護師・クラークは入力作業に時間がかかっていましたし、人によって記載する情報量に差が出ていたので、ユビーAI問診でそこも改善することが出来ると思いました。

ユビーAI問診導入後の効果

把握している情報量に差がなくなった

問診の情報だけではなく、お薬手帳・紹介状のスキャンも活用しています。効率的に情報量を増やせただけでなく、電子カルテに残せていなかった情報についても簡単に残せるようになりました。
実際導入した所、一番改善が見られたのは事務・看護師・クラークの業務です。ユビーAI問診を問診の機能のみではなく、お薬手帳や紹介状のスキャンまで徹底して行っています。
新患の方が受付に来た際に、総合受付ですべてスキャンするよう通常業務の一部として取り入れています。そうすることで、紹介状の内容や薬名がテキスト化されるため、簡単に情報を電子カルテに残すことが出来ます。看護師・クラークは業務効率化を実感しており、医師としても見ることが出来る情報量が増えて満足しています。
具体的なカルテ記載時間についても、12分ほど掛かっていた時間が8分程度まで削減されています。それにより患者さんの待ち時間も短くなり、回転率も上がっています。
効率化以外のポイントでも、医師・看護師・クラーク等それぞれの間で同じ情報を共有できるようになっているため、今までは情報量に差があったため無駄なコミュニケーションが発生していましたが、それが削減されたお陰で、認識を揃えて業務が実施できていると思います。

コロナ禍で非常に活躍

当院は指定感染症病院になっているため、新型コロナに関連する症状の患者さんも来られます。
今までの紙での運用だと、どうしても詳しい内容を聞くことが出来ず追加問診の必要がありました。しかし、ユビーAI問診であれば聞き漏らし無く問診が可能になるため、感染リスクを削減することが出来ていると思います。
更に来院前問診の機能が追加されましたので、7月6日より病院のHPに掲載し利用を開始しました。来院予定の方にはこちらを利用いただき、新型コロナに関連する症状ががあった場合には電話にて医師が対応+判断まで行いたいと考えています。

研修医の技術向上にも繋がる

ユビーAI問診導入後、様々な病院から「どのようなものか?」と視察に来ることがあります。その際、みなさん「AI問診を使ってしまうと研修医や若手の診察技術が上がらなくなるのでは?」という点を危惧されていました。しかし、私はそこについては心配していません。
もちろん結果を鵜呑してはダメですが、参考情報として捉え、そこから更に深堀りした質問をすることで診察技術の向上に繋がると考えています。そのため、当院では研修医や若手こそ積極的に使うよう呼びかけています。
また、実際に指導する際は患者さんの医療情報が必要になりますが、ユビーAI問診を使って情報共有することで、指導医も患者さんの状態をより詳しく把握することが出来るため、ここでもお互いの認識がずれることなく指導が可能となります。
より細かい指導が可能になるため、スキルアップのスピードも早くなるのではと期待しています。

来院前問診でさらなる効果に期待

ユビーAI問診のお陰で、電子カルテ記載の時間が1/3削減されたことはお伝えしましたが、来院前問診を活用することで患者さんの滞在時間の削減が出来ると考えています。
来院前問診をしてもらうことで、入力作業の時間が無くなりますし、今後はサテライト拠点を設けたいと考えていますので、問診結果・居住地域によって適切な病院・診療所へ案内することも可能だと思っています。実際、離島を含めて6つのクリニックがあり、そのようにすることで患者さんのアクセスも含めて最適な形での医療が提供できるようになるとイメージしています。

今後の地域医療を見据えて

地域中核病院として、山形県ではそれなりに知っていただいていますが、当院のみでなく山形全体で医療従事者を増やしていく必要があると危機感を感じております。
これまで統合・再編を繰り返す中で、今後は、若い人のキャリアパスを作りやすい環境作りが重要だと考えています。今までは急性期だけのキャリアだったのが、訪問看護師ステーションや社会福祉法人に出向してもらうことで、幅を広げてもらえるように改善しています。
また、庄内地域の中で急性期患者の連携協力もしているので、鶴岡の病院に心臓血管外科や呼吸器外科の外来出張を出したり、循環器内科についてもかなり緊密な連携を組んでいるので、そういったところで部分最適ではなく全体最適に繋がるように地域医療を活性化したいと考えています。

ただ、医師の育成だけでは人口減少に伴う患者減少に追いつくことが出来ません。庄内地域は現在26~27万人程度ですが、2040年には19万人以下になると言われています。
単純にこの状況を受け入れると規模を縮小するしか無いため、コスト削減にも取り組む必要があります。実際、地域全体で後発薬などの利用に取り組んでいますが、全国換算にすると1,000億円規模の効果が出ています。

これまで医師として庄内地域の事を考え行動してきましたが、民間だけの力では出来ることが限られてきています。2040年など中・長期先を見据えて動くには行政との連携が不可欠です。
マンパワーが限られた世界を見据えた時、これまで以上に情報連携を強化していく必要があります。
これからは未来を見据え、田舎でも使える情報共有システムの構築を行政と協力して作っていきたいと考えています。  

日本海総合病院
〒998-8501
山形県酒田市あきほ町30番地
http://www.nihonkai-hos.jp/hospital/


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