当院は呼吸器内科とアレルギー科を標榜しており、気管支喘息の患者さんが多くいらしゃいます。喘息の病態は未だ研究中で診断基準が曖昧であるため、除外診断をするためには詳細な問診が非常に重要です。
これまでは専門的な定型問診を作り、事務スタッフが大分詳しく問診を取っていました。電子カルテの画面にはみ出るほどです。加えて問診を取る際には、患者さんの前に跪くような体勢での対応を心がけていました。その丁寧さが特にご高齢や体調不良の方には好評でした。
コロナ禍で院内感染対策が急務に
しかし、コロナ禍において変化が必要となりました。
当院の急病患者は咳や発熱の人ばかりで、患者さんの目線で取る丁寧な問診が逆にリスクとなりました。問診時にまるでスタッフを盾にしたようになります。そこで対応策を検討しはじめました。
事前問診で来院前から状況を把握
テレビのニュースで「ユビーAI問診」を知り、検討の結果感染対策になると考えて他社の順番予約システムと同時運用することを決めました。当院のホームページ上から来院前問診がおこなえるリンクを貼り、初めての方や4ヶ月以上受診していない人には必ず自宅等で問診を実施していただくようご案内しています。予約済みでまだ実施していない方にも、お電話で事前に問診をするように促しています。
来院前問診の良い点は、事前に問診結果が見えることです。患者さんの大まかな現病歴が把握できます。そのため、咳や熱の症状がある方にまずレントゲンと採血を実施し、陰圧の部屋にご案内するといった一連の対応がよりスムーズで安全に行えるようになりました。
特に便利に感じたのは日曜日の休日診療当番日のときです。当番医では1週間以内に発症した発熱、咳、嘔吐·下痢症状のカルテもない初診患者ばかりが受診しますが、AI問診のみを頼りに診療しました。問診されていない方は車内でスマホをつかってAI問診を受けていただきました。問診内容は比較的正確で、事務スタッフと患者との接触が少なく安全な診療につながったと思います。
平日当院に受診される患者の多くは遷延性~慢性咳嗽であり、しっかりとした問診を取れるスタッフ達がいるからこそ、それをAIが代替することで問診の質が下がらないかという懸念がありました。そこで50例ほどAI問診と従来どおりの問診の両者を実施し、スタッフによる問診との差分を比較した結果、AI問診で大まかな症状と経過を把握し、専門的な内容をスタッフが追加問診をすることが有用と感じました。
新人スタッフにとっては、丁寧さと細かさが求められる問診は最大の壁ですので、助かっています。
医師、看護師、事務の垣根のない医療
私達は常に最新のことを勉強して、最大限の知識で治療に結びつけるというポリシーで診療しています。その実現には、自分が徹底するのみならず全スタッフにも浸透させた、医師·看護師·事務の垣根のない体制づくりが欠かせません。
新型コロナウイルス感染症における感染対策でも、最新データを常にスタッフと共有し、問診や感染対策で最低限どこまで意識するべきかなどを共に勉強する機会を随時設けています。
「ユビーAI問診」で予め患者情報を知ることで、スタッフ全員が安全に配慮した診療が可能となり、ひいては患者さんに安心感を与え、信頼の獲得に繋がっていると思います。
ユビーAI問診のスタッフの方々は、私達と頻回にコンタクトを取られ、改善すべき点を吸い上げて即座に反映されています。
これからもよろしくお願いします。
伊勢丘内科クリニック
〒721-0915 広島県福山市伊勢丘3丁目3−1
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