ユビーAI問診導入の背景は?
香川県は高齢化率で全国上位20位に入る地域です。地域病院は同じ悩みを抱えているところが多いと思いますが、医療従事者の採用も難しく充分と言えるだけの人材がいない状況です。また、人口減少も歯止めが効かず患者数が年々減少傾向にあります。
患者数が少なくなると、必然的に収益減少も避けられなくなってきます。そんな限られた予算と人員の中で、患者さんの満足度の向上と医師の業務効率化を両軸で進めていくためにはどうすればよいのか、日々頭を悩ませておりました。
そのようなタイミングで、城西大学の伊関教授よりユビーAI問診をご紹介いただきました。
実際に話を聞いてみると、大きな問題である医師のマンパワー不足の改善に繋がると感じました。実際、院長である私もいまだに最前線で現場に出ざるを得ない状況にあります。
タブレットをタップするだけで紙よりも充実した問診が取れるのはかなり簡単に感じましたし、時間の節約にも繋がりそうだと思いました。しかし話を聞いただけではどの程度の効果があるのか想像できておりませんでした。
とはいえ時代の流れに鑑みても、AIが出来る仕事はAIに置き換えられていくことは、徐々に進んでいくのだろうと考えがありました。
またそれにより医師/看護師不足についても補えると思っていましたので、検討の上ユビーAI問診の導入を決めました。
地域としても三豊市そのものがAIに前向きに取り組んでおり、そのことも後押しとなりました。
ユビーAI問診導入による効果とは?
ユビーAI問診導入に期待していた一番の効果は、医師の業務時間削減です。来院者が減る中で、患者満足度の向上が不可欠でした。そのためにもカルテ記載などの事務作業ではなく、患者さんと向き合う時間を増やし、丁寧に対応する必要があると思っていました。
高齢化率が高いこの辺りの地域では、耳が遠い方や世間話が好きな方も多く、診察室に入られてからの診察時間が長くなりがちです。具体的には1人の診察で10分からそれ以上かかるのがほとんどでしたが、ユビーAI問診の導入で、診察時間が5分程度に削減されました。
患者のバックグラウンドを知るうえで既往歴は大事な要素と考えておりますが、今までの問診では十分に聞き取りが出来ていなかったり聞き漏らしてしまう場合もありました。
ユビーAI問診では事前に主だったものが本人によって入力されており、それらが緩和された実感があります。
ユビーAI問診で作成される問診票は紙と比較して、情報量が多いだけでなく質も高く、今までは診察時に確認していたものがすでに揃った状態で診察に臨めます。
時間削減によって、患者さんの普段の生活に基づく質問や今回病気になった経緯などの質問が可能になり、より患者さんと向き合う時間を増やせています。
正直に言うと当初は高齢の方がタブレットを使って問診を行うのは難しいと思っていましたが、今の所大きく困ったという声は聞いておりません。
悩まれる方がいた場合にも、看護師や事務のサポートによって安心してオペレーションに乗せられています。
まだ使い始めたばかりではありますが、現時点でも10点満点で評価すると8点以上の満足度/メリットを感じています。
導入に際してメディアにも取り上げていただき、他の病院やクリニックからユビーAI問診について聞かれることも増えてきています。
導入によって改善できる悩みをお持ちの病院も多いと思いますので、連絡いただいた施設には導入後の情報共有をしていきたいと考えています。
また、削減できた時間を午後の回診や事務処理に割けるようになったので、今後はさらなる改善をしていきたいと思っています。
地域病院としての目指すべき病院像
当院は、軽症の急性期への対応や急性期病院のバックアップを行う立ち位置です。
普段から地域病院・クリニックとの連携で機能分担を行い、病院単体での最適化ではなく医療圏での最適化を行っていく必要がより強くなってきています。
ですので、当院が無くなると急性期病院やクリニックにも大きな影響が出てしまいます。そのため、地域連携にも目を向けた上でなんとしても存続していくという気持ちで運営しています。
やれることを増やすのも大事ではありますが、医師や看護師不足の中では、着実に出来ることの定着に重きをおいています。
実際にユビーAI問診の導入で、専門分野以外の見逃しが減り、必ずしもスキルの高い医師を集める必要性が低くなっていく可能性を感じています。ユビーAI問診で対応できる分野が今以上に増えるならば更にいっそうと思います。
地域連携の面でも同じ機能を持つ病院が増えるよりも、足りない部分を補い合う病院が増える方が重要です。
当院は、急性期とそれ以外の「間」を担う役割として、長く続く病院づくりに尽力していきたいと思っています。
みとよ市民病院
〒769-1101 香川県三豊市詫間町詫間6784番地206
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