白血病

公開日

最終更新日

白血病の場合、主にどのような治療をしますか?

亀田総合病院 腫瘍内科

瀬口 京介 監修

白血病の種類や患者さんの状態などに応じて抗がん剤治療・骨髄移植・CAR-T細胞療法・分子標的治療から選択します。

解説

白血病の治療方法は、白血病の種類によって異なります。一般的な治療法には、以下のようなものがあります。

白血病の主な治療法

抗がん剤治療(化学療法)

白血病を治療する主要な方法のひとつで、さまざまな種類の抗がん剤が用いられます。白血病の種類に応じて適切な抗がん剤を組み合わせて治療が行われます。

骨髄移植(同種造血幹細胞移植)

難治性(通常の治療法では効き目が薄く、治りにくいこと)または再発した白血病の治療に使用されることがあります。患者さんの骨髄や血液から健康な造血幹細胞を取り出し、その後、高用量の化学療法や放射線療法を施して患者さんの骨髄を空にして、その後に健康な造血幹細胞を患者さんに戻す方法です。

キメラ受容体T細胞療法(CAR-T細胞療法)

特に急性リンパ性白血病の治療に使用されることがあります。この治療法では、患者さんのT細胞(免疫細胞の一種)を取り出し、がん細胞を攻撃できるように遺伝子操作を行い、その後患者さんに戻す方法です。

分子標的薬

特定の遺伝子異常を持つ白血病細胞に対して効果を発揮する薬剤です。例えば、FLT3遺伝子の異常が見られる急性骨髄性白血病には、ギルテリチニブ(ゾスパタⓇ)やキザルチニブ(ヴァンフリタ)が使われることがあります。また、慢性リンパ性白血病に対してもアレムツズマブ(マブキャンパスⓇ)やオファツムマブ(アーゼラⓇ)などが使用される場合があります。

これらの治療法は、白血病の種類や患者さんの状態に応じて選択され、適切に行われます。
治療は専門の医療機関で行われ、患者さんの病状や体の状態に合わせて最適な治療計画が立てられます。それぞれに特徴的な副作用もありますので、治療にあたっては副作用についてもよく確認しておくことが重要です。

おすすめのQ&A

白血病治療中に心タンポナーデになり、心膜開窓術を検討中。他の医師の見解を知りたい。

約2年前に急性骨髄性白血病と診断されました。 地固療法後、骨髄移植を行った。その後、GVHDによる心不全、腎不全などになりました。抗がん剤使用し治療を行っていました。透析も最近はじまっています。立ち上がりや歩行等のリハビリを受け、そろそろ退院という状況だったのですが、最近の透析のときに、血圧が低下し、心タンポナーデが発覚しました。緊急で穿刺術を行って改善しましたが、数日後に息苦しさ、倦怠感あり、血圧低下があり改めて心嚢液が溜まっていることがわかりました。現在、心膜開窓術を検討しているが循環器医師の見解で血小板、赤血球が低いため、体力的なリスクが高いとの事で保留となっている。可能な限り、血小板の補填をした上で手術をするかの判断になります。 今は血圧も100まで上がっています。他のお医者様の見解を教えて頂きたくメッセージをお送り致しました。

質問者のイラスト

40代 / 男性

大変に辛いご状況にご質問いただき、大変ありがとうございます。 頂戴した情報から精一杯回答させていただきます。

心タンポナーデを繰り返す場合に心膜開窓術を考慮します

先週に起こり、また今週に心嚢穿刺を受けられたとのこと、本当に大変であったと推察します。 心タンポナーデについては、処置による影響があったかもしれぬとのことですが経過をみつつ原因を探る段階と思われます。 原因によっては、心タンポナーデを繰り返し起こす可能性があり、必要な透析に支障がでます。 またそれを解除するために毎回心嚢穿刺を行うというのは現実的ではありません(週一などですとご負担が計り知れません)。 そのため、心膜開窓術を検討している、という状況は一般的に妥当といえそうです。 (改めて、心膜開窓術について:心膜に穴を開けておき、心嚢液が心臓の周りにたまらず胸の中に排出されることで心臓の動きが制限されなくなる)。

出血の影響があるため血小板や赤血球は重要です

ただ、この心膜開窓術を行うということは、増えてくる心嚢液を胸の中に流れでるようにするということです。 心嚢液そのものが例えば出血などによって増える場合に、血小板が少ないということですと、止血されずに胸の中に出血し続ける、 という状態を引き起こす可能性があります。 また出血をするということは、赤血球の成分が不足して高度な貧血を起こす可能性があります。

血圧が上がってきていらっしゃること、リハビリを頑張ってこられたことなどはとてもプラス要因です。 体力が少しでもあることはあらゆる治療にとても有益です。 主治医としても、安全に出血のリスクがなるべく低くなるまで待つことと、再度心嚢液がたまる・透析に支障がでるなどの不都合を最小限にすることの両者を加味して治療にあたりますが、 手術を行うタイミングは個々の状況によるので、やきもきされる部分も大きいかと思いますが、焦らずに、まさに主治医が判断する時を待つことが良いかと思われます。

ご質問者様の直近の治療、またその後の白血病の治療についてうまくいくこと、祈っております。

医師の回答を見る

関連するQ&A
関連する病気と症状
関連するお薬

(参考文献)

こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。

こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。

この記事をシェアする

他に気になることを調べたい方は

初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

さっそく調べる
医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

病院を探す
治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

さっそく調べる
薬について調べる
薬について調べる

おくすりアシスタント

病気の治療に使われる薬を比較しながら、効能や副作用、気をつけることを確認できる機能です。※対応しているお薬は、処方薬(医療用医薬品)のみ

さっそく調べる

サービスの目的と位置付け

ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。