2024年10月から変更となる、ジェネリック医薬品と比べて先発医薬品の自己負担が高くなる仕組みについて教えてください。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許が切れた後に作られる、同じ有効成分を使った薬です。品質や効き目、安全性が同等な薬として厚生労働大臣の承認を受けています。国の基準、法律に基づいて製造・販売されており、有効成分は先発医薬品と同じですが、有効成分以外の添加剤が異なる場合があります。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と比べて安いことがメリットです。およそ5割程度、中にはそれ以上安いジェネリック医薬品もあります。これは、莫大な研究開発費用や期間を必要とする先発医薬品と違って、ジェネリック医薬品は開発コストを抑えることができるからです。
処方した医師と患者さんの両方の同意があれば、薬剤師はジェネリック医薬品を調剤することが可能です。

しかし、効き目に個人差が出たり、添加物に対するアレルギー反応を起こす場合もあります。薬によっては、ジェネリック医薬品の方が先発医薬品よりも飲みやすい剤型だったり、吸収効率が良かったりする場合もあります。ジェネリック医薬品の品質が、先発医薬品より劣るというわけではありません。

オーソライズドジェネリック医薬品（AG）は、先発医薬品の製造会社が、製造方法や添加物も含め、先発医薬品と全く同じ薬をジェネリック医薬品として安く提供するものです。
オーソライズドジェネリック医薬品は、そうでないジェネリック医薬品と比べると、価格は少し高いことが多いですが、先発医薬品よりは安いです。

2024年10月から、ジェネリック医薬品があるお薬で先発医薬品の処方を希望される場合は、特別の料金を支払う必要があり、これまでよりも自己負担額が高くなります。
これは、保険給付額を減らし、医療保険財政を改善させることを目的とした国の施策のひとつです。
この特別の料金は、先発医薬品とジェネリック医薬品の価格差の4分の1に相当する金額です。自己負担額がどれくらい変わってくるかは、個々のお薬の薬価にもよりますが、以下の例を参考にしてみてください。

なお、ジェネリック医薬品より先発品が望ましいと医師が判断した場合や、流通の問題などでジェネリック医薬品が手に入らない場合には、特別の料金は発生しません。
現在飲んでいるお薬を、ジェネリック医薬品に変更してよいか悩んだ場合や、オーソライズドジェネリック医薬品があるかどうかは、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみてください。