急性肝性ポルフィリン症(AHP)
東京都済生会中央病院 脳神経内科/総合診療内科、芝浦スリーワンクリニック・ポルフィリン症外来
足立 智英 医師 監修

急性肝性ポルフィリン症(AHP)が原因かも?

急性肝性ポルフィリン症(AHP)は、10万人に1人とされるとても稀な病気です1,2)。
主な症状は、繰り返し起こる強い腹痛ですが、内視鏡、腹部CTや腹部エコーなどの画像検査、血液検査では異常がみられません。
そのため、この病気を診断するのは非常に難しく、診断されるまでに15年かかることもあるともいわれています。それでも、きちんと診断されれば、腹痛を引き起こす誘因(飲酒や特定の薬剤など)を避けたり、症状を改善する治療をはじめることができます。
1) Elder G, Harper P, Badminton M, et al. J Inherit Metab Dis. 2013; 36(5): 849-857.
2) Ramanujam VM, Anderson KE. Curr Protoc Hum Genet. 2016; 86: 17. 20. 1-17. 20. 26.
急性肝性ポルフィリン症(AHP)ってどんな病気?
- 急性肝性ポルフィリン症は、数日続く腹痛発作が繰り返し起こる病気です。
- 強い腹痛に加えて、背中や足の痛み、しびれや脱力感などが起こります。
- 強い症状が現れているときには、尿の色が赤褐色になることがあります。
急性肝性ポルフィリン症の強い発作時の症状

※ すべての症状があらわれるわけではありません。
どんなときに症状が起こりやすい?
急性肝性ポルフィリン症(AHP)では、何らかの誘因で起こる強い腹痛発作と、症状のおさまる慢性期を繰り返します。強い腹痛発作は数日間続きます。

※ 女性の場合は、プロゲステロン(黄体ホルモン)により症状が悪化するため、生理前に強い腹痛があらわれやすいことが知られています。
繰り返す強い腹痛、原因が分からない方へ
どのような症状がありますか?
急性肝性ポルフィリン症(AHP)は、急に起こる激しい腹痛に加え、手足の脱力/痛み、便秘/下痢、不安感、頻脈といった様々な症状が持続することがある遺伝性の病気です。
どのように診断しますか?
急性肝性ポルフィリン症は尿検査で診断します。尿検査の項目は、δ―アミノレブリン酸(ALA)、ポルフォビリノーゲン(PBG)です。症状がおさまっているときの尿では検査できない場合がありますので、なるべく症状があるとき、または数日以内に検査をしてください。
この病気の検査を受けてみようと思われた方へ
急性肝性ポルフィリン症は消化器内科、脳神経内科、総合診療科にご相談ください。医師に、「急性肝性ポルフィリン症の尿検査(ALA、PBG測定)をして欲しい」ことをしっかり伝えることが大切です。