溢乳

監修医師阿部 吉倫内科

更新日
2026/10/27
公開日
2022/08/10

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溢乳とは

授乳後に口から少量の乳がダラダラと吐き出されることを指します。赤ちゃんの生理的な現象なので通常は病気ではありません。

「溢乳」とはどのような病気ですか?

溢乳とは、飲んで胃に入ったミルクが食道を逆流して口から出てくる現象で、多くの赤ちゃんにみられます。

「溢乳(いつにゅう)」とは、飲んだあとのミルクが、胃から食道を通って逆流し、口から出てくる現象です。溢乳は、嘔吐とは異なる状態です。吐くためには、お腹に力を入れる必要があり、赤ちゃんにとって苦痛を伴うこともあります。

一方、溢乳の場合、自然とミルクが出てくるので、赤ちゃんは自分が吐いていることすら気づいていない可能性があります。この溢乳は、多くの赤ちゃんに自然にみられる現象であり、正確には病気ではないことが一般的です。

さらに詳しく:「溢乳」とはどのような病気ですか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科
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溢乳の症状

溢乳ではどのような症状がありますか?

溢乳の症状は、赤ちゃんの口からミルクが自然に出てくることで、嘔吐とは異なります。

溢乳の症状は、赤ちゃんの口からミルクが出てくることです。溢乳の場合、赤ちゃんは実際に吐いているわけではなく、単に胃に入ったミルクが戻ってきているだけなので、口からミルクが出てきたとしても、赤ちゃんが苦しがることはありません。

もし、ミルクが出てくる時に苦しがることがある場合、また、吐いたあとに呼吸が苦しくなったり、吐き続けるために体重が増えないようなことがあると、これは溢乳ではなく「胃食道逆流症」という病気であることが考えられます。

さらに詳しく:溢乳ではどのような症状がありますか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科

溢乳には初期症状はありますか?

溢乳には、腹痛などがみられる嘔吐とは異なり、特に初期症状はありません。

溢乳は、多くの赤ちゃんにみられる自然な現象であり、自然にミルクが口から出てくる状態です。したがって嘔吐のように、吐く前にお腹を痛がったり、苦しがったりするような初期症状は見られないことが一般的です。赤ちゃんは、吐いていることさえも気づいていないかもしれません。

溢乳は、胃に入ったミルクが溢れることでもあるので、1回のミルクの量が多すぎた、また短い間隔でミルクを飲ませたなどの場合、溢乳が起こる可能性が高まります。これは初期症状ではありませんが、溢乳を起こしやすい状況として注意が必要です。

さらに詳しく:溢乳には初期症状はありますか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科
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溢乳の原因

溢乳は飲みすぎが原因ですか?

溢乳は、飲みすぎが原因のひとつです。ほかにも授乳後にお腹を圧迫することも原因となりえます。

溢乳は、ミルクの飲みすぎが原因のひとつとして考えられます。赤ちゃんの胃の大きさは、あまり大きくありませんが、胃のなかにたくさんのミルクが入ってきて、消化するスピードが追いつかないと、胃のなかに入ったミルクが食道に戻ってきてしまいます。これが溢乳が起きる原因です。

ミルクの飲ませすぎは、1回の量が多いだけでなく、ミルクを飲む間隔が十分に空いてない場合も起こりえます。そのほかにも、ミルクがお腹に入った状態でお腹を圧迫することも、溢乳の原因となりえます。

さらに詳しく:溢乳は飲みすぎが原因ですか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科

溢乳の原因は何がありますか?

溢乳は、ミルクの飲む量が多い、ゲップが不十分、飲んだあとにお腹を圧迫したなどが原因となります。

溢乳は、別名「胃食道逆流」とも言われますが、胃のなかに入ったミルクが食道に戻ってくる現象です。

通常、食道から胃に入った食べ物は、下部の食道の周囲を取り巻く輪状の筋肉の働きにより、逆流することはありませんが、赤ちゃんではその筋肉の力が十分に発達していないために、簡単に戻ってきてしまうのです。

この現象は、正常な赤ちゃんであってもみられることがありますが、逆流を起こしやすい原因として、

  • ミルクを飲ませすぎた
  • 授乳後におなかを押さえてしまった
  • 授乳後にしっかりとゲップができていなかった

また、まれに基礎疾患が影響していることもあります。

さらに詳しく:溢乳の原因は何がありますか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科
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溢乳の検査・診断

溢乳のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

溢乳の特徴として、以下が挙げられます。

  • 赤ちゃんの口からミルクが漏れてくる(嘔吐のように勢いよくミルクが口から出てきていない)
  • ミルクを普段よりもたくさん飲ませてしまった
  • いつもより短い間隔でミルクを飲ませてしまった
  • ミルクを飲んだあとお腹が圧迫されてしまった
  • 不機嫌ではない(お腹を痛がるような様子はない)
  • ミルクが口から出てきても、普段と様子は変わらない(苦しそうな様子はない)

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、溢乳かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

さらに詳しく:溢乳のセルフチェックはできますか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科
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溢乳の治療・対処法

溢乳への対処法は?

噴き出すように吐く場合や、量が多い場合は吐乳と言って、ゲップ不足だったり胃食道逆流がある場合もあります。体重の増加が悪かったり、不機嫌だったり熱があるなど他の症状を伴うような場合は一度受診をお勧めします。

溢乳の場合、主にどのような治療をしますか?

溢乳の場合、治療ではなく、授乳の1回量を減らす、授乳後はお腹を圧迫しないなどの対応を行います。

溢乳の原因となる、食道の下部にある筋肉の力は、成長とともに強くなっていきます。したがって、溢乳に対して特別な治療を必要とすることはないと思ってもよいでしょう。

ただし、気になる場合は、

  • 1回のミルクの量を減らしてみる
  • ミルクを飲ませる間隔をあけてみる
  • 授乳後にしっかりとゲップさせる

などが対応として考えられます。

そのほかにも、授乳後は赤ちゃんの上体を起こしておく、かつ、お腹を圧迫しないようにしておくと、溢乳を減らすことにつながるでしょう。

さらに詳しく:溢乳の場合、主にどのような治療をしますか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科
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受診の目安・何科を受診するべきか

溢乳が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

溢乳が疑われる場合、通常は小児科に受診します。あるいは産院の医師や助産師にも相談してみましょう。

現在、「溢乳が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?」を研究した有効なデータは、確認できません。このため、以下に個人の見解を記載します。

さらに詳しく:溢乳が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科

溢乳が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

溢乳が疑われる場合、呼吸が苦しい時や体重が増えない時は、病院を受診したほうがよいでしょう。

現在、「溢乳が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?」を研究した有効なデータは、確認できません。このため、以下に個人の見解を記載します。

さらに詳しく:溢乳が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科

溢乳の専門医がいる近くの病院はありますか?

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溢乳の薬

溢乳は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

溢乳が悪化し、胃食道逆流症となると胃酸の働きを抑える薬を使用することがあります。

溢乳を薬で治療することはありません。ただし、溢乳が悪化した場合、つまり胃食道逆流症の場合は、ミルクにとろみをつける、胃酸を抑える薬、また、アレルギーが原因となっている場合は、アレルギー対応したミルクを使うことなどがあります。

胃酸を抑える薬にはプロトンポンプ阻害薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬などが知られています。これらの薬剤は、比較的安全な薬ではありますが、副作用が起こることはありえます。なお、これらの薬は、薬を使わない治療がうまくいかないときに使用することが一般的です。

さらに詳しく:溢乳は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科
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溢乳の経過・予後

溢乳はいつまで続きますか?

溢乳は多くの赤ちゃんにみられる現象ですが、1歳から1歳半頃までみられることが多いです。

溢乳は、別名「胃食道逆流」と呼ばれる現象ですが、この胃食道逆流は、生後2〜6ヶ月の時期に多く見られます。この時期に1回のミルク量が増えることも関係しています。その後、生後7ヶ月くらいになると、胃食道逆流の頻度は減っていきます。

これまでの調査によると、胃食道逆流は、生後12ヶ月の時点で全体の赤ちゃんの85%で解消されており、生後18ヶ月の時点では、95%の赤ちゃんでなくなっていることがわかっています。したがって、溢乳は生後1歳から1歳半くらいまでは続くことがあると言えるでしょう。なお、溢乳がみられる期間には個人差があります。

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対処法・セルフケア

溢乳で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

溢乳が悪化し、胃食道逆流症に薬を使用しても効かない場合は手術をすることもあります。

溢乳を薬で治療することはありませんので、薬が効かない状況も起こりえません。ただし、溢乳が悪化した場合、つまり胃食道逆流症では、状態が悪化すると胃酸を抑える薬を使うことがありますが、それでもミルクの吐き戻しによる症状が強い場合には、手術をすることもあります。

これは食道と胃のつなぎめである噴門(ふんもん)と呼ばれる部位の力を強くするために行うもので、下部食道を取り巻く筋肉を引き締める手術です。なお、この手術をすると、吐くことができなくなる合併症が起こることもあります。

さらに詳しく:溢乳で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?監修医師井上 信明埼玉医科大学総合医療センター 小児科

溢乳の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

溢乳の場合、日常生活ではミルクを飲ませすぎない、授乳時のゲップなどが気をつけることです。

溢乳の場合、日常の生活では1回のミルクの量を多くしすぎない、かつミルクの間隔を狭めすぎないなどが気をつけることです。また、授乳時はこまめに、しっかりとゲップさせるようにしましょう。

なお、ミルクの1回の量を減らす場合、赤ちゃんの栄養を確保するために、どうしても回数を増やす必要が生じますが、その場合は1日トータルでの授乳量が減りすぎないように注意しましょう。

さらに、授乳後は赤ちゃんの上体を起こしておきます。その際、お腹を圧迫しないように注意が必要です。お腹を圧迫すると、ミルクが逆流しやすくなるからです。

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特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

吐き気・嘔吐がある
症状の程度
1日に6回以上吐いている
自覚した時期
1か月以上前から

最新のガイドライン・医療水準を取り込んだデータベースを元に関連する病気・症状を表示しています。

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この記事の監修医師

監修医師 阿部 吉倫

阿部 吉倫

内科

2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。

更新日
2026/10/27
公開日
2022/08/10