リラグルチド（遺伝子組換え）（ビクトーザⓇ）は、どのような作用機序で効果を発揮するのですか？
GLP-1受容体に作用し、血糖値が高いときに限りインスリン分泌を促進し血糖を下げます。
リラグルチド（遺伝子組換え）（ビクトーザⓇ）は、体内で分泌される消化管ホルモンであるGLP-1（グルカゴン様ペプチド-1）と同じような働きをするように作られた薬（GLP-1アナログ）です。
この薬が血糖値を下げる作用機序は、以下の通りです。
1. インスリン分泌の促進（グルコース濃度依存的）
この薬は、膵臓のβ細胞の表面にあるGLP-1受容体という場所と結合し、細胞内のcAMPという物質を増やします。この作用により、血糖値が高いときに限り、膵臓からインスリン（血糖値を下げるホルモン）が多く分泌されるのを促します。
2. グルカゴン分泌の抑制（グルコース濃度依存的）
血糖値が高い状態では、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンが分泌されるのを抑えます。
3. 作用の持続化
GLP-1は体内でDPP-4などの酵素によってすぐに分解されてしまいますが、この薬はヒトGLP-1に脂肪酸を付加することで、分解されにくく、作用が長く続くように工夫されています。また、皮下注射されたあと、ゆっくりと吸収されることや、血中のアルブミン（タンパク質）と結合することで、代謝酵素による分解から守られ、作用が持続すると考えられています。
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無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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