アミバンタマブ(ライブリバントⓇ)には、どのような効果がありますか?
このお薬は、特定の遺伝子変異がある非小細胞肺がんの治療に用いられます。
アミバンタマブ(ライブリバントⓇ)は、抗悪性腫瘍剤の中の「抗EGFR抗体」と「抗MET抗体」という2つの働きを併せ持つ「二重特異性モノクローナル抗体」と呼ばれるグループに属する薬です。
この薬は、がん細胞が増えるために必要なEGFR(上皮成長因子受容体)とMET(肝細胞増殖因子受容体)というタンパク質の働きを抑えることで、がん細胞の増殖を抑制すると考えられています。
具体的には、以下の病気の治療に用いられます。
- EGFR遺伝子エクソン20挿入変異が陽性の、手術で取りきれない進行・再発の非小細胞肺がん
- この場合、カルボプラチンおよびペメトレキセドナトリウムという別の抗がん剤と併用されます。
- EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)が陽性の、手術で取りきれない進行・再発の非小細胞肺がん
- この場合も、カルボプラチンおよびペメトレキセドナトリウムとの併用、またはラゼルチニブメシル酸塩との併用で使われます。
臨床試験では、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌患者さんにおいて、このお薬とラゼルチニブの併用療法が、オシメルチニブ単独療法に比べて病気の進行を抑える効果が優れていることが示されています。また、オシメルチニブによる治療後に病気が進行した患者さんに対しては、このお薬とカルボプラチン、ペメトレキセドナトリウムの併用療法が効果的であると判断されています。
ただし、手術前や手術後の補助的な治療としての有効性や安全性は、まだ確立していません。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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