乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(ファイバⓇ)の作用機序について教えてください。
このお薬は血を固める複数のタンパク質を含み、血友病で妨げられた止血経路を迂回して出血を止めます。
乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(ファイバⓇ)は、血液を固める働きを持ついくつかの凝固因子(第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子とその活性型)を含む「活性型プロトロンビン複合体」という種類の薬剤です。
通常、けがなどで血管が傷つくと、体は一連の反応で血の塊を作り、出血を止めます。しかし、血友病の患者さんでは、特に「血液凝固第Ⅷ因子」や「血液凝固第Ⅸ因子」の働きを邪魔する「インヒビター」がある場合、この止血の仕組みがうまく働きません。
乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(ファイバⓇ)は、インヒビターによって妨げられる止血の経路を「迂回(バイパス)」して、直接血を固める働きを促進します。 具体的には、次のような働きが組み合わさって効果を発揮すると考えられています。
- この薬に含まれる凝固因子が、出血部位で重要な働きをする「第Ⅹ因子」を活性化させます。
- 活性化された第Ⅹ因子や他の凝固因子が協力して、最終的に血の塊を作るための重要な成分である「トロンビン」を効率よく大量に作り出します。
- このトロンビンが、血の塊の網の目となる「フィブリン」を形成し、出血を止めます。
このように、複数の凝固因子が複合的に作用することで、インヒビターがある状態でも止血を助けることができると考えられています。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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