公開日:
最終更新日:
血友病
「血友病」とは、止血に必要な成分である「凝固因子」の働きが十分ではないため、血が止まりにくくなる病気です。体のさまざまな部位から出血しやすくなりますが、最も多いのは関節内出血です。遺伝や遺伝子の突然変異が原因で発症し、女性に比べて圧倒的に男性に多い病気です。主な診療科は、血液内科や一般内科です。
名古屋大学病院 小児がん治療センター 血液内科
秋田 直洋 監修
病気について
「血友病」とはどのような病気ですか?
止血に必要な成分である「凝固因子」が遺伝的に不足し、血が止まりにくくなる病気です。
血友病Aとはどのような病気ですか?
血液凝固第Ⅷ因子の不足や働きの低下により、血が止まりにくくなる病気です。患者数は血友病Bの約5倍です。
血友病Bとはどのような病気ですか?
血液凝固第Ⅸ因子の不足や働きの低下により、血が止まりにくくなる病気です。
血友病は遺伝しますか?遺伝する場合はどのような遺伝形式ですか?
はい。血友病は主に、X染色体上の異常な遺伝子を受け継ぐことで発症します。
血友病は女性でも発症しますか?
女性が血友病を発症することは極めてまれです。保因者である場合に、軽度の症状を認めることがあります。
後天的に血友病が発症することはありますか?
はい。免役に関係する病気や妊娠・分娩がきっかけとなって、後天的に発症することがあります。
血友病の発症年齢はどのくらいですか?
先天性の場合は1歳ごろまでに発症することが多いです。後天性の場合は50歳以上で発症することが多いです。
血友病をかかえている場合、寿命はどのくらいですか?
2001年〜2018年のオランダの研究では、平均寿命は77歳と報告されています。
血友病の男女比について教えてください。
先天性の場合は約98%が男性、後天性の場合は男女差はほとんどないとされています。
血液凝固の仕組みをイラスト(図)で教えてください。
血が固まる過程では12種類の血液凝固因子が重要な役割を果たし、固いフィブリンの網が作られます。
女性で血が止まりにくい場合、血友病や他の病気の可能性がありますか?
女性が発症する出血性疾患としては、ヴォン・ヴィレブランド病や特発性血小板減少性紫斑病があげられます。
先天性血友病と後天性血友病の死亡率や平均寿命(余命)について教えてください。
先天性血友病は補充療法の進歩により予後は良好ですが、後天性は基礎疾患も重なり予後不良です。
症状について
血友病の原因は何がありますか?
凝固因子をつくる遺伝子の変異により、凝固因子が不足している、あるいは働きが弱くなることが原因です。
血友病ではどのような症状がありますか?
出血部位やその程度によりさまざまな症状をきたします。
血友病には初期症状はありますか?
あざができやすいのが特徴です。関節の痛み、腫れ、動かしにくさなどは、関節出血の可能性があります。
血友病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
血友病で、あざはできることはありますか?
はい。通常よりもあざができやすくなります。
女性が血友病の場合、月経に変化は生じますか?
はい。経血量が多くなるなどの変化が生じる可能性があります。
血友病の皮下出血、筋肉内出血、関節内出血とはどのような症状ですか?
あざや痛み、腫れ、熱感などの症状をきたします。
ぶつけてないのに内出血がみられ、痛くない場合、血友病の可能性はありますか?
血友病を含む凝固因子の異常や血小板減少などの原因による出血性疾患の可能性があります。
血友病の場合で、覚えのないあざ(内出血)が膝、二の腕、肘、手首などにできる理由とその対処法を教えてください。
血友病では止血が困難なため、通常であれば自然治癒する体内の出血が、内出血として現れやすくなります
血友病のあざ(内出血)に痛みがある時はどうしたらいいですか?
血友病で出血部位の痛みの対応は、早期の補充療法、出血部位の冷却・安静、薬物による疼痛治療です。
治療について
受診について
検査について
手続きや支援について
薬について
(参考文献)
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラサービスの目的と位置付け
ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。