血友病
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更新日:2024/03/28
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血友病について「ユビー」でわかること
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血友病とはどんな病気ですか?
「血友病」とは、止血に必要な成分である「凝固因子」の働きが十分ではないため、血が止まりにくくなる病気です。体のさまざまな部位から出血しやすくなりますが、最も多いのは関節内出血です。遺伝や遺伝子の突然変異が原因で発症し、女性に比べて圧倒的に男性に多い病気です。主な診療科は、血液内科や一般内科です。
血友病の特徴的な症状はなんですか?
次の症状などが特徴として見られます
血友病への対処法は?
医療機関で適切な検査を受けましょう。
血友病の専門医がいる近くの病院はありますか?
血友病の専門医がいる病院を見る血友病のQ&A
- A.
血友病で出血部位の痛みの対応は、早期の補充療法、出血部位の冷却・安静、薬物による疼痛治療です。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る血友病で、出血部位の痛みがある場合の対処方法としては、早期の補充療法、出血部位の冷却・安静、薬剤による疼痛ケアがあげられます。
早期の補充療法
不足または欠乏している血液凝固因子を注射で補う補充療法で、早めに出血を行うことで、出血後の激しい痛みを回避できる可能性があります。
出血部位の冷却・安静
出血部位を冷却し、安静にすることは痛みを和らげる上で重要となります。状況に応じて、三角巾や松葉杖、氷嚢などが痛みを和らげる目的で用いられます。
薬物による疼痛治療
血小板凝集抑制作用のないアセトアミノフェンや、同作用の少ない非ステロイド系消炎鎮痛剤、同作用のないCOX-2選択的阻害剤が用いられる場合があります。
それぞれ、副作用や効果の違いなどがありますので、お薬を使用する場合は主治医と相談してください。
痛みが出た場合の対応については、事前に主治医にご相談いただいておくことをおすすめします。 - A.
血友病では止血が困難なため、通常であれば自然治癒する体内の出血が、内出血として現れやすくなります
解説「ユビー病気のQ&A」を見る血友病では、血液凝固因子という止血するときに働く成分が不足しているため、止血が困難になり、軽い傷でも出血しやすくなります。
ぶつけたり傷ついた覚えがなくても、体のなかではあらゆる部分で自然に出血することがあります。
止血が正常に進めば、軽度の出血であれば自然に治癒しますが、血友病では止血が困難になっているため内出血が現れやすくなります。膝、膝、手首などの関節内では、血管の小さな切れ目が出血し続けることがあり、関節内出血となります。
症状が、あざだけの場合には通常特別な治療は必要ありませんが、あざが腫れて痛みを伴う場合には、治療が必要となる場合があります。
痛みの対処については、ユビー病気のQ&A「血友病のあざ(内出血)に痛みがある時はどうしたらいいですか?」をご覧ください。 - A.
血友病を含む凝固因子の異常や血小板減少などの原因による出血性疾患の可能性があります。
解説ぶつけた自覚がないのに内出血がみられる原因には、血小板の減少や働きの障害、血管壁の異常、血液凝固系に異常を来たすような病気や状態が背景にある可能性が考えられます。
例えば、以下のようなものがあげられます。- 血小板の減少:特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、急性白血病、薬の副作用など
- 血小板の働きの異常:骨髄増殖性疾患(本態性血小板血症等)、薬(アスピリンなど)の副作用など
- 血管壁の異常:ステロイドの長期使用、血管炎、クッシング症候群など
- 血液凝固の異常:血友病、von Willebrand(フォン・ヴィレブランド)病、肝臓疾患、ビタミンK欠乏症、薬(抗凝固薬など)の副作用
なお、血友病の出血は、先天性の場合は関節内出血が特徴となりますが、後天性では皮下や筋肉内の出血が多いとされています。
正確な診断には診察や詳しい検査が必要です。気になる症状がある場合には、医療機関の受診をご検討ください。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る備後真登. 出血傾向の鑑別. 血栓止血誌. 2018, 29, 659-664.
日本血栓止血学会.“後天性血友病A診療ガイドライン 2017年改訂版”.日本血栓止血学会.https://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2015/04/ssc01_guidelines.pdf,(参照 2024-11-11).
加藤 淳. 出血性疾患:診断と治療の進歩 I.総論 2.出血傾向へのアプローチ. 日内会誌. 2009, 98, 1562~1568. - A.
あざや痛み、腫れ、熱感などの症状をきたします。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る皮下出血では青あざ、筋肉内出血、関節内出血では、痛みなどの症状が現れます。以下に詳細を示します。
皮下出血
全身の皮膚にできる可能性があります。紫色のあざができます。
筋肉内出血
腕、お腹、腰、お尻、脚などの筋肉に炎症が起こります。痛みや腫れ、熱感などの症状が現れます。
関節内出血
肩、肘、手首、股関節、膝、足首などの関節の中で出血や炎症が起こります。関節が痛くなったり、腫れたり、熱感を持ったりします。何度も繰り返し起こることで関節が動かしにくくなり、QOL(生活の質)が低下する可能性があります。
- A.
はい。経血量が多くなるなどの変化が生じる可能性があります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る女性が血友病になった場合、月経に変化が起こる可能性があります。
血友病は出血を止めるために必要な物質が十分に機能せず、血が止まりにくくなる病気です。そのため、過多月経や月経困難症のリスクが高くなります。
過多月経になると、月経による出血量が多くなり、出血期間が長引きます。それに伴い、貧血などを引き起こす可能性があります。
月経困難症になると、月経出血中の痛みが強くなります。
他にも、卵巣内に血がたまる出血性卵巣嚢胞(のうほう)という婦人科系の病気のリスクが高くなるとされています。血友病の女性に月経の異常や持続する性器出血などが現れた場合は、婦人科の受診も検討しましょう。 - A.
はい。通常よりもあざができやすくなります。
解説血友病になるとあざができやすくなります。
血友病は、出血を止める物質のはたらきに異常が生じることで、血が出やすくなったり、出血が止まりにくくなったりする病気です。
主な症状のひとつに皮下出血というものがあります。皮下出血とは、物にぶつかるなどの物理的な刺激によって、皮膚の下で血管が破れ、血が漏れている状態です。出血してすぐは青く見えるため、青あざとも呼ばれます。
血友病でない方でも打ち身などによって青あざができる可能性がありますが、血友病の方は通常ではあざができないような弱い刺激でもあざができます。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見るManuel D Carcao. Semin Thromb Hemost. 2012 ;38:727-34.
監修:鈴木 洋(日本医師会前広報委員).“ぶつけた・ぶつかった”.白クマ先生の子ども診療所.https://www.med.or.jp/clinic/kega_butsuketa.html,(参照 2024-07-24). - A.
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る特徴的な症状をもとに、周囲の大人によるチェックやセルフチェックにより、血友病を疑うことは可能です。
ただし、専門的な診断を行い治療を進める必要がありますので、血液内科や小児科を受診してください。
以下のような症状がある場合や、家族に血友病と診断された方がいる男性は、血友病の可能性が疑われます。- 皮下出血やあざができやすい
- 関節に痛み・腫れ・動かしにくさなどがある(関節出血)
- けが・手術・抜歯などの出血時に血がなかなか止まらないことがある
- A.
あざができやすいのが特徴です。関節の痛み、腫れ、動かしにくさなどは、関節出血の可能性があります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る血友病で最も多い初期症状は、皮下出血によりあざができることです。
新生児期におへそからの出血が止まらなかったり、重篤な場合は頭蓋内出血が生じたりした際に、医療機関を受診することで血友病が疑われるきっかけとなります。
発達に伴い歩行が可能になると、関節出血により、関節の痛み、腫れ、違和感、動かしにくさなどがあらわれます。これらは、関節内出血の初期兆候となることがあります。
なお、血友病Aと血友病Bで症状に差はありません。 - A.
出血部位やその程度によりさまざまな症状をきたします。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る血友病の症状は、出血部位によってさまざまです。以下が血友病の主な症状です。
血友病の主な症状
皮下出血とあざ
点状の出血はみられませんが、ぶつけてもいないのにあざができることがあります。
関節の痛みと腫れ
出血後、関節に痛みが走り、拘縮(関節の動きが悪くなる状態)を引き起こすことがあります。
出血が止まりにくい
手術や事故、抜歯などの出血時に血がなかなか止まらないことがあります。
出血症状として最も多いのは皮下出血で、乳児期後半からみられます。 - A.
凝固因子をつくる遺伝子の変異により、凝固因子が不足している、あるいは働きが弱くなることが原因です。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る血友病は、X染色体の1本に異常遺伝子がある「X連鎖潜性遺伝」と呼ばれる遺伝形式による病気です。特定の凝固因子のはたらきが低下するため、出血が止まりにくくなる病気です。
X染色体はヒトの性別を決める遺伝子のひとつで、もうひとつがY染色体です。「XY」が男性、「XX」が女性になります。男性はX染色体がひとつのみで、そこに異常が生じた場合、発症しやすいため、血友病患者さんのほとんどが男性です。
血友病には、血友病Aと血友病Bの2つのタイプがあり、それぞれ第VIII因子と第IX因子の不足が原因です。日本の血友病患者さんの数は、血友病Aが約5000人、血友病Bが約1000人と報告されています。
血友病について、医師からのよくある質問
- 母方の祖父か父が血友病でしたか?
- 関節に出血やあざがありますか?
- ささいなことでも血が出てしまいますか?
- 鼻血が出ていますか?
- 皮ふに紫色のあざまたはブツブツがありますか?
監修医師
診療科・専門領域
- 内科
- 呼吸器内科
- アレルギー科