血液凝固の仕組みをイラスト(図)で教えてください。

血が固まる過程では12種類の血液凝固因子が重要な役割を果たし、固いフィブリンの網が作られます。

解説

血が止まる過程は、血小板が集まって傷口をふさぐ一次止血と、血液凝固因子という物質が活性化してフィブリンが隙間を埋めることで全体を固める二次止血に大きく分けられます。
血液凝固の仕組みを説明する図です
一次止血では、血管の内側が損傷を受けることで血小板が集まり、フォンビルブラント因子などを介して傷口をふさがれます。

二次止血では、フィブリンの形成に関わるI~XIIIの番号がつけられた12種類の凝固因子(第VIは欠番)が重要な働きを果たす、血液凝固カスケードという一連の流れがあります。この流れには、血管内に存在する物質だけで進む内因系凝固経路と、血管の外の成分が出発点となる外因系凝固経路があります。

内因系経路では、血管の内膜が破れることで、まず血管内を巡回している第XII因子が活性化されます。その後、第IXや第Xなどの他の凝固因子が連鎖的に活性化され、フィブリン同士が活性化された第XIII因子の働きによって鎖のようにつながると、固いフィブリンの網が完成し血栓ができます。

一方、外因系経路は、傷ついた組織の成分である第III因子から起点となる経路です。第III因子が血液中の第VII因子などと結合すると、内因系経路と同じように第IXや第Xなどの活性化が進み、フィブリンの網が作られます。このフィブリンの網が、一次止血でできた血小板を覆い固めて、止血が完了します。

公開日

最終更新日

兵庫医科大学病院 輸血・細胞治療センター 血液内科

山原 研一 監修

(参考文献)

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