父親が血友病患者さんの場合に、血友病の遺伝子が子供に受け継がれる確率を教えてください。
父親が血友病患者さんで母親が健常の方の場合、男児は0%、女児は100%受け継がれ、血友病保因者となります。
父親が血友病患者さんで母親が健常(血友病ではない)の方のお子さんは、男児は健常、女児は血友病保因者となります。
男児の場合、父親からはY染色体のみを受け継ぎ、X染色体を受け継ぐことはありませんので、男児は全員、父親が保有する血友病の遺伝子異常を保有することはありません。男児が受け継ぐ母親由来のX染色体は正常です。
一方、女児は必ず血友病の遺伝子異常を保有する父親のX染色体を受け継ぎます。もうひとつの母親由来のX染色体は正常ですので、女児は全員血友病保因者となります。
なお、血友病はX染色体に連鎖する遺伝形式で、男性はX染色体が1本なので発症するのは基本的に男性です。
女性が発症するためには血友病の遺伝子異常を保有する2本のX染色体が必要なため、発症の可能性が非常に低くなりますが、まれに女性の患者さんもいます。
また、頻度は極めて低いですが、後天的に血友病が発症することもあり、病気などの影響で身体の免疫機構に異常が生じることが原因と考えられています。
原因としては関節リウマチなどの自己免疫疾患、がん、抗菌薬や抗けいれん薬などの薬剤が考えられています。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
吉岡 章.第2回 血友病の遺伝と保因者.一般社団法人 日本血液製剤機構,https://www.jbpo.or.jp/crossheart/magazin/closeup-h/02/(参照 2025-01-27)
後天性血友病A診療ガイドライン作成委員会.“後天性血友病A診療ガイドライン2017改訂版”.日本血栓止血学会.https://www.jsth.org/publications/pdf/guideline/HP%E7%94%A8_%E5%BE%8C%E5%A4%A9%E6%80%A7%E8%A1%80%E5%8F%8B%E7%97%85A%E8%A8%BA%E7%99%82%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B32017%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88.pdf,(参照 2025-01-27).
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
血友病
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ