子供が血友病と診断されましたが、頭蓋内出血を防ぐためにどのような対処ができますか?
転倒時の衝撃を和らげる生活上の工夫のほか、凝固因子の定期補充療法が検討される場合もあります。
血友病のお子さんでは、鼻出血や皮下出血といった症状がよくみられ、時には頭蓋内出血といった重い出血を起こす場合もあります。
普段の生活では、転倒したときの衝撃を和らげる工夫として、家具の角にカバーをかぶせたり、床にマットを敷くことがあげられます。また、転倒を避けるために歩きやすい機能的な靴を選ぶことも大切です。
出血を予防する方法として、不足している血液凝固因子を定期的に補充する方法があります。定期的に補充することで、出血を抑える効果が期待できます。
1993年~2014年に生まれた重症の血友病(第VIII(IX)因子活性が1%未満)の小児・青年を対象とした研究では、定期的に補充された集団では、行われなかった集団と比べて、頭蓋内出血のリスクが低かったことが示されています。
そのため、重症の血友病の方では、2歳未満や最初の関節出血後から定期補充療法を開始することが望ましいとされています。
定期補充療法を開始するかどうかは、患者さんの出血状況などに応じて決められます。個別のケースについては主治医にご相談ください。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
酒井道生. 定期補充療法の現状と今後の課題. The Japanese Journal of Pediatric Hematology/Oncology. 2015, 52, 237–242.
N.G. Andersson, et al. Br J Haematol. 2017,179(2),298-307.
藤井輝久ほか.“インヒビターのない 血友病患者に対する 止血治療ガイドライン2013年改訂版”.日本血栓止血学会.https://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2015/04/03_inhibitor_H1_B.pdf,(参照 2025-01-27).
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