ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩（メタクトⓇ）は、どのような作用機序で効果を発揮するのですか？
インスリン抵抗性を改善し、肝臓の糖新生抑制や末梢での糖利用を促進して血糖値を下げます。
ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩（メタクトⓇ）に含まれる2つの有効成分は、それぞれ異なる作用機序で血糖降下作用を示します。
1. ピオグリタゾン塩酸塩の作用
インスリンが効きにくい状態（インスリン抵抗性）を改善することで血糖値を下げます。主な働きは以下の通りです。
- 筋肉や脂肪組織などの末梢組織で、糖の取り込みと利用を促進します。
- 肝臓で糖が新たに作られること（糖新生）を抑制します。
- これらの作用は、細胞内のインスリン情報伝達機構を正常化することによると考えられています。
2. メトホルミン塩酸塩の作用
すい臓からのインスリン分泌を介さずに血糖値を下げます。主な働きは以下の通りです。
- 肝臓での糖新生を抑制します。
- 筋肉などの末梢組織での糖利用を促進します。
- 腸管からのブドウ糖の吸収を抑制します。
このように、ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩（メタクトⓇ）は、異なる作用を持つ2つの成分の相乗効果によって、インスリン分泌を増やすことなく、血糖コントロールを改善することが期待できます。
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無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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