ルセオグリフロジン水和物（ルセフィⓇ）は、どのような作用機序で効果を発揮するのですか？
腎臓のSGLT2というタンパク質の働きを阻害し、糖を尿中に排泄することで血糖値を下げます。
ルセオグリフロジン水和物（ルセフィⓇ）は、「選択的SGLT2阻害剤」に分類される糖尿病治療薬です。その作用機序は、腎臓の働きを利用して体内の過剰な糖を排出することです。
1. SGLT2の役割
ヒトの腎臓の近位尿細管という場所には、「ナトリウム-グルコース共輸送体 2（SGLT2）」というタンパク質（輸送体）が存在します。これは、血液をろ過して一時的に尿に流れ出た糖（グルコース）の大部分（約90%）を、再び血液中に取り込む（再吸収する）働きを担っています。
2. SGLT2の阻害
このお薬の有効成分であるルセオグリフロジンは、このSGLT2の働きを特異的に邪魔（阻害）します。
3. 尿糖排泄の促進
SGLT2が阻害されると、糖が再吸収されずにそのまま尿中に排泄されます。
結果として、血液中の過剰なグルコースが尿と共に排出されるため、血糖値が低下します。この作用により、2型糖尿病の血糖コントロールが改善されると考えられています。
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無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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