インスリンアスパルト(遺伝子組換え)(ノボラピッドⓇ)は、どのような作用機序で効果を発揮するのですか?
インスリンの一部をアスパラギン酸に置換することで、速やかに血中に移行し血糖値を下げるとされています。
インスリンアスパルト(遺伝子組換え)(ノボラピッドⓇ)は、ヒトインスリンのB鎖28位にあるアミノ酸(プロリン残基)をアスパラギン酸に置き換えた「インスリンアナログ」製剤です。この構造の変化により、皮下に注射されたあと、従来のヒトインスリン製剤と比べて非常に速く作用を発現します。
1. 速やかな解離と血中移行
このお薬は、六量体という大きな分子の塊を形成していますが、注射されたあと、皮下組織の体液で薄まると、六量体から単一分子(単量体)へと急速に解離します。 これにより、速やかに血液中へ移行します。
2. インスリン受容体への結合と作用
お薬の成分が血中に移行したあと、体の細胞にあるインスリン受容体と結合し、血糖値を下げる作用を発揮します。
具体的な血糖降下作用は、以下の通りです。
- 筋肉や脂肪組織が血液中の糖を取り込むのを促進
- 肝臓で糖が新しくつくられる(糖新生)のを抑制
- 肝臓や筋肉で糖を貯蔵する(グリコーゲン合成の促進)
- 肝臓における解糖系の促進、脂肪組織における脂肪合成の促進
これらの作用から、作用発現時間は10〜20分、最大作用発現時間は1〜3時間、作用持続時間は3〜5時間となり、超速効性の効果を発揮すると考えられています。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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