インスリン グラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチド配合剤(ソリクアⓇ)は、どのような作用機序で効果を発揮するのですか?
インスリンによる血糖降下作用と、インスリン分泌促進作用などの両方の働きで血糖値を下げます。
インスリン グラルギン(遺伝子組換え)・リキシセナチド配合剤(ソリクアⓇ)は、インスリン グラルギン(持効型溶解インスリンアナログ製剤)とリキシセナチド(GLP-1受容体作動薬)の2つの成分が配合された注射剤であり、それぞれ異なる作用機序で血糖コントロールを改善します。
この薬の効果は、主に以下の2つの成分の働きに基づいています。
1. インスリン グラルギン(基礎インスリンの補充)の作用機序
インスリン グラルギンは、中性のpH領域では溶けにくいように設計されたインスリンアナログです。
- 注射液(約pH4の無色澄明な溶液)を皮下に投与すると、体内のほぼ中性のpHに触れて、すぐに微細な沈殿物(かたまり)を形成します。
- この皮下に留まった沈殿物からインスリン グラルギンが時間をかけてゆっくりと溶け出し、血中へ移行することで、およそ24時間にわたり安定した(ピークのない)血中濃度推移を示します。
- その主な働きは、インスリンと同様に、末梢の筋肉や脂肪の細胞が血液中の糖を取り込むのを促進したり、肝臓が糖を作り出す働きを抑えたりすることで、血糖値を下げることです。
2. リキシセナチド(食後の血糖上昇の抑制)の作用機序
リキシセナチドは、体内で血糖値を調節するホルモン(GLP-1)と似た働きを持つ合成ペプチドです。
- グルコース依存性インスリン分泌促進:膵臓の細胞にあるGLP-1受容体と結合し、血液中の糖濃度が高くなった時だけ、インスリンというホルモンが分泌されるのを促します。
- グルカゴン分泌抑制:血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑えます。
- 胃内容排出の遅延:食べたものが胃から腸へ送られるスピードを遅らせることで、食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。
これら2つの成分が相補的に作用することで、基礎インスリンの作用と、食後の血糖値上昇を抑える作用の両面から、効果的に血糖コントロールを改善するとされています。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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