アトモキセチン塩酸塩(ストラテラⓇ)の効果はどのようなものですか?
注意欠陥/多動性障害(ADHD)の不注意、多動性・衝動性を改善する効果があります。
アトモキセチン塩酸塩(ストラテラⓇ)は、注意欠陥/多動性障害(ADHD)に効果のあるお薬で、不注意、多動性・衝動性を、長期にわたり継続的に改善します。
ADHDでは、脳のなかで「実行機能系(行動の計画など)」と「報酬系(長期的な利益を考えて行動する)」に障害があると考えられていますが、アトモキセチン塩酸塩はこのうち「実行機能系」への効果が中心となるお薬です。
ただし、6歳未満のADHDの患者さんについては、対象とした国内および外国臨床試験が実施されていないため有効性および安全性は確立されていません。
明確な作用機序は不明ですが、脳において神経終末にあるノルアドレナリントランスポーターという構造をブロックする作用が関与していると考えられています。これによって、神経伝達物質(神経と神経の情報伝達に使用される物質)であるノルアドレナリンやドパミンの不足を改善させます。
神経伝達物質のトランスポーターはいくつか種類がありますが、アトモキセチン塩酸塩はこのうちノルアドレナリントランスポーターにのみ作用し、他のトランスポーターへの影響はほとんどないことが特徴です。
公開日:
最終更新日:
東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長
白石 達也 監修
(参考文献)
日本イーライリリー.“ストラテラ 添付文書”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/530471_1179050M1023_1_21,(参照 2024-06-19).
村上佳津美. 注意欠如・多動症(ADHD)特性の理解. Jpn J Psychosom Med. 2017, 57, 27-38.
北山 滋雄ほか. 神経伝達物質トランスポーターの構造,機能,発現とその制御. 日薬理誌. 2007, 130, 444-449.
八幡 憲明ほか. 1.報酬系を通した注意欠如・多動性障害の病態理解. 日本生物学的精神医学会誌. 2011, 22, 253-256.
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