ミチグリニドカルシウム水和物・ボグリボース（グルベスⓇ）には、どのような効果がありますか？

ミチグリニドカルシウム水和物・ボグリボース（グルベスⓇ）は、糖尿病の飲み薬の中でも、「速効型インスリン分泌促進薬」であるミチグリニドカルシウム水和物と、「食後過血糖改善薬（α-グルコシダーゼ阻害剤）」であるボグリボースの2つの有効成分を組み合わせた配合剤です。

主に2型糖尿病の治療に使われますが、それぞれの成分の単独での治療が不十分な場合や、それぞれの成分を併用していて状態が安定している場合など、医師が併用療法が適切だと判断した場合に限って処方されます。

このお薬は、体内で次の2つの作用を同時に発揮し、相乗的に血糖値を改善します。

1. インスリン分泌の促進（ミチグリニドカルシウム水和物の作用）

膵臓に作用し、食事の直後にインスリンというホルモンが素早く分泌されるように促します。これにより、食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。

2. 糖分の吸収を遅らせる（ボグリボースの作用）

腸管で、でんぷんなどの大きな糖を、体内に吸収できる小さな糖（ブドウ糖など）に分解する酵素の働きを妨げます。これにより、糖質が消化され、吸収されるスピードが遅くなり、食後の急激な高血糖を抑えます。

これらの作用により、血糖値、特に食後の血糖値のコントロールが改善され、糖尿病の長期的な管理指標であるHbA1cの安定した改善が期待されます。