LAMA(長時間作用性抗コリン薬)は、喘息治療においてどのような位置づけですか?
LAMAは、吸入ステロイド剤を用いても症状をコントロールできないような気管支喘息に使用されます。
長時間作用性抗コリン薬(LAMA)は、吸入ステロイド剤(もしくは吸入ステロイドと他の治療薬の組み合わせ)を用いても症状をコントロールできない患者さんに追加で処方することで、以下の効果が期待できます。
重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された患者さんには、はじめからLAMAを含む治療を行うことがあります。
- 息切れ、咳、痰の症状を改善する
- 喘息発作を予防する
- 長期的な肺の機能低下を防止する
喘息の治療の中心になるのは吸入ステロイド剤です。
LAMAには気管支を広げる効果や痰を減らす効果があるものの、喘息の炎症そのものを抑える効果はないため、抗炎症作用のある吸入ステロイド剤と併用して使う必要があります。
喘息では、LAMAのみが配合された単剤や、吸入ステロイド・長時間作用性β2刺激薬とあわせ3種類の薬剤をまとめた合剤(トリプル製剤)などいくつかの製剤が使用できます。
また、LAMAは毎日定期的に吸入するお薬です。症状が強い時や発作の時に使用するお薬ではありません。喘息では症状がなくても発作予防のための毎日の吸入が重要なので、症状がよくなっても自己判断でお薬をやめないでください。
公開日:
最終更新日:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
(参考文献)
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社.“スピリーバ1.25μgレスピマット60吸入”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/6501682259709G20231_20,(参照 1899-12-30).
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社.“スピリーバ 1.25μg レスピマット 60 吸入 スピリーバ 2.5μg レスピマット 60 吸入 ”.日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社.https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/6501682259709G20231_226_1F.pdf,(参照 1899-12-30).
妹尾 賢ほか.“COPD,気管支喘息に対する吸入療法の進歩”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/110/7/1101487/pdf,(参照 1899-12-30).
日本アレルギー学会.“ガイドライン・その他刊行物”.日本アレルギー学会.https://www.jsaweb.jp/modules/journal/index.php?content_id=4,(参照 1899-12-30).
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