サリルマブ(ケブザラⓇ)には、どのような効果がありますか?
既存治療で効果不十分な関節リウマチの炎症や症状を改善します。
サリルマブ(ケブザラⓇ)は注射薬であり、「ヒト型抗ヒトインターロイキン(IL)-6受容体モノクローナル抗体製剤」という種類の薬です。効能・効果は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」です。
このお薬の主な働きは、関節リウマチの原因のひとつであるIL-6(炎症を引き起こす物質)の作用を抑えることです。具体的には、次のプロセスで症状を改善します。
- 炎症の抑制: 関節液中や血液中に増えすぎているIL-6という物質の受け皿(受容体)に、薬の成分が特異的に結合します。
- 作用機序: これにより、IL-6が本来の受け皿に結合できなくなり、IL-6が引き起こすシグナル伝達(命令)が阻害されます。
IL-6は、全身の炎症や、関節の骨が壊される現象(骨びらん)に関わる細胞(T細胞、B細胞、単核細胞、破骨細胞など)の活性化に関与しているため、その働きを抑えることで関節の炎症や破壊の進行を抑制し、症状を改善します。
臨床試験では、関節の痛みや腫れ、身体機能を評価する指標において、プラセボ(偽薬)と比較して優れていることが示されています。通常、治療を開始してから12週以内に効果が得られることが期待されています。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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