乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(ファイバⓇ)には、どのような効果がありますか?
特定の血友病で、血を固める働きを妨げる物質(インヒビター)を持つ患者さんの出血を抑えます。
乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(ファイバⓇ)は、「血漿分画製剤」という種類の注射薬で、血液を固める作用を持つ、いくつかのタンパク質(血液凝固因子)を含んでいます。
主に、血液を固めるための「血液凝固第Ⅷ因子」や「血液凝固第Ⅸ因子」の働きを邪魔する「インヒビター」という物質が体内で作られてしまう患者さんの、出血を止めるために使われます。この治療法は「バイパス療法」と呼ばれ、インヒビターの働きを迂回して、直接止血を促進する仕組みです。
効果としては、次のようなことが確認されています。
- 出血時に使う場合:臨床試験では、第Ⅷ因子インヒビターを持つ患者さんの出血で約50%に、第Ⅸ因子インヒビターを持つ患者さんの出血では100%に有効性が確認されています。
- 定期的に使う場合:臨床試験では、定期的にこの薬を使うことで、出血する回数を大幅に減らす効果が示されています。例えば、年間出血回数が72.5%減少し、特に血友病患者さんが繰り返し出血しやすい関節内出血の回数も73.8%減少したと報告されています。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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