セルペルカチニブ(レットヴィモⓇ)の作用機序について教えてください。
RETチロシンキナーゼを阻害し、異常な細胞の増殖・分化を阻害することでがん細胞の増殖を抑えます。
セルペルカチニブ(レットヴィモⓇ)は、RETチロシンキナーゼを阻害することでがん細胞の増殖を抑制します。
RETは細胞へシグナルを伝達する物質を受け取る受容体であり、細胞外で受け取ったシグナルを細胞内のシグナルに変える働きを持つ「チロシンキナーゼ」と呼ばれるタイプの受容体です。
また、RETは細胞の増殖や分化に関与するシグナル伝達を担っています。
一方で、RET遺伝子の変異は、特定のがん(例:甲状腺がんや肺がん)の発生や進行に関連しています。すなわちRETが変異によって異常に活性化されると、細胞内のシグナル伝達経路が過剰に活性化され、異常な細胞増殖が促進されます。
セルペルカチニブ(レットヴィモⓇ)は、このRETチロシンキナーゼの活性化を阻害することで、異常なシグナル伝達を抑制し、がん細胞の増殖を抑える効果があります。
また、セルペルカチニブ(レットヴィモⓇ)は他にも、がんに栄養を送る血管の形成に関わる血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、がんの増殖に関わる線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)などの受容体も阻害することで、がんの血管新生を抑制し、がんの増大を抑える効果もあります。
京都大学医学部付属病院呼吸器内科 呼吸器内科
山城 春華 監修
(参考文献)
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