エンパグリフロジン・リナグリプチン（トラディアンスⓇ）は、どのような作用機序で効果を発揮するのですか？
SGLT2とDPP-4を阻害し、尿中の糖の再吸収を抑え、インスリンの分泌を増やすことで血糖値を低下させます。
エンパグリフロジン・リナグリプチン（トラディアンスⓇ）は、2型糖尿病の治療に用いられる配合剤です。この薬剤は、エンパグリフロジンとリナグリプチンの2つの成分から成り立っています。
エンパグリフロジン
腎臓におけるナトリウム-グルコース共役輸送担体2（SGLT2）という物質を選択的に阻害します。SGLT2は、腎臓の近位尿細管でグルコースを再吸収する役割を担っています。
エンパグリフロジンがこの担体を阻害することで、尿中にグルコースが排泄され、血糖値が低下します。この作用により、血糖コントロールが改善されます。
リナグリプチン
ジペプチジルペプチダーゼ-4（DPP-4）という物質を競合的に阻害します。DPP-4は、インクレチンホルモン（GLP-1やGIP）を分解する酵素であり、これを阻害することでインクレチンの濃度が上昇します。
インクレチンは、食事に応じてインスリンの分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制するため、血糖値の上昇を抑える効果があります。
このように、エンパグリフロジンとリナグリプチンはそれぞれ異なる作用機序を持つため、より血糖値を効果的に低下させることが期待されます。
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医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
(参考文献)
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