扁平上皮非小細胞肺癌のステージⅣでと言われました。ネシツムマブ(遺伝子組換え)(ポートラーザⓇ)で完治した人はいますか?
臨床試験では完全奏効した患者さんは報告されていませんが、お薬の効果には個人差があります。
ネシツムマブ(遺伝子組換え)(ポートラーザⓇ)の臨床試験では、このお薬を使用しない治療と比較して、生存期間が延長することが示されています。しかし、「完全奏効」、つまり画像検査でがんが完全に消失したと判断された患者さんは認められていません。一方で、がんが明らかに小さくなった「部分奏効」を示した患者さんは報告されています。
ネシツムマブ(遺伝子組換え)(ポートラーザⓇ)は、切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺がんの患者さんに、ゲムシタビンおよびシスプラチンという他の抗がん剤と併用して使用される薬です。この治療の主な目的は、がんの進行を抑え、生存期間を延長することです。
なお、がん治療において、「完治」という言葉は、再発の可能性がゼロではないため、一般的には慎重に使われます。特にステージⅣのような進行したがんでは、治療の目標は、病気の進行を抑える、症状を和らげる、そして生存期間を延ばすことに置かれます。
お薬の効果には個人差がありますので、ご自身の病状や治療方針について、より詳しい情報やご不明な点があれば、担当の医師にご相談ください。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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