カトリデカコグ(遺伝子組換え)(ノボサーティーンⓇ)の作用機序を教えてください。
不足している血液凝固因子を補充し、血のかたまりを安定化させることで出血を止める働きをします。
ヒトの体には、出血した際に血を固めて止める「血液凝固」という仕組みがあります。その最終段階で重要な役割を果たすのが「血液凝固第XIII因子(FXIII)」です。
FXIIIは、主にAサブユニットとBサブユニットという2種類の部品からできており、これらが結合して働きます。出血すると、まずフィブリンという網のようなものが作られて血を止めようとしますが、この網はまだ不安定です。活性化したFXIII Aサブユニットは、このフィブリンの網を強力に架橋(橋渡ししてつなぎ合わせる)することで、丈夫で安定した血のかたまり(フィブリン塊)を作り、出血を確実に止めます。
カトリデカコグ(遺伝子組換え)(ノボサーティーンⓇ)は、ヒトのFXIII Aサブユニットと同じ構造を持つお薬です。先天的にFXIII Aサブユニットが不足している患者さんに、このお薬を投与することで、不足分を補い、体内で本来のFXIII Aサブユニットと同様に働いて、出血を防ぐ効果を発揮します。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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