五月病と九月病はどう違う?長期休暇後にメンタルの不調を感じたときの食事や生活習慣での対策を教えてください。
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五月病と九月病はどう違う?長期休暇後にメンタルの不調を感じたときの食事や生活習慣での対策を教えてください。

山﨑 龍一監修者

こころの港クリニック 京橋・東京駅前 精神科・心療内科

山﨑 龍一

どちらも長期休暇明けに起こる適応の問題ですが、季節や引き金となる要因が異なります。

五月病・九月病とは|長期休暇後に起こるメンタル不調の正体

五月病は、4月の新年度がスタートしたあとの緊張が連休で一気にゆるみ、5月に気力が低下する状態を指します。一方、九月病は夏休み明けに学校や仕事へ戻ることへの抵抗感や、秋に向かう日照時間の減少が重なって気分が落ち込む状態です。どちらも正式な病名ではなく、環境の変化にこころと体がうまく適応できないときに現れる一時的な不調と考えられています。

五月病と九月病の違い|季節・日照時間との関係

五月病の背景には、新しい環境への過剰適応による「燃え尽き」があるとされています。一方、九月病は夏の終わりから秋にかけて日照時間が短くなることも関与していると考えられています。脳内のセロトニン(気分を安定させる働きを持つ伝達物質)の分泌量は日光を浴びる時間に影響を受けることが報告されており[Lancet. 2002;360(9348):1840-2.]、秋に向かう時期はセロトニンが低下しやすく、気分の落ち込みや意欲の低下が起こりやすい環境にあるといえます。また、暑さそのものがメンタルヘルスに悪影響を与える可能性も複数の研究で示されています[Environ Int. 2021;153:106533.]。

長期休暇後のメンタル対策|生活リズムと食事の工夫

休暇明けの不調を予防するうえで重要とされるのが、生活リズムの維持です。休暇中に夜更かしや寝だめの習慣がつくと、体内時計がずれて自律神経のバランスが崩れやすくなります。遅くとも休暇終盤の2〜3日は、普段の起床時間に近いリズムへ少しずつ戻すことが推奨されています。食事面では、セロトニンの材料であるトリプトファン(必須アミノ酸の一種)を含む食品(バナナ、大豆製品、乳製品など)を朝食に取り入れることが、気分の安定に寄与する可能性があります[J Diet Suppl. 2021;18(3):316-333.]。

GABAやトリプトファンを含む機能性表示食品の活用

日常の食事に加え、ストレスケアを目的とした機能性表示食品を補助的に活用する方法もあります。GABA(ガンマアミノ酪酸=体内にも存在するアミノ酸の一種)を含むサプリメントや食品は、ストレスや不安の軽減に寄与する可能性がいくつかの研究で報告されています[Front Neurosci. 2020;14:923.]。また、トリプトファンのサプリメントが気分や感情機能の改善に関連する可能性も示されています[J Diet Suppl. 2021;18(3):316-333.]。ただし、これらはあくまで日常生活の補助としての位置づけであり、食事・睡眠・運動といった基本的な生活習慣を整えることが前提です。なお、効果には個人差があります。

長期休暇後のメンタルケアを考えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

長期休暇後のメンタルケアを考えるうえで日常生活の工夫について、3つのコツと内容、理由をまとめた表です。1つ目は「休暇終盤に生活リズムを戻す」で、内容は「遅くとも2〜3日前から起床時間を平日に近づける」ことです。理由は「体内時計のずれが自律神経の乱れにつながる可能性がある」からです。2つ目は「朝食にトリプトファンを含む食品を取り入れる」で、内容は「バナナ・大豆製品・乳製品など」です。理由は「セロトニンの材料となり、気分の安定に寄与すると考えられている」からです。3つ目は「日中に15〜30分の日光を浴びる」で、内容は「午前中の散歩やカーテンを開けるだけでもよい」ことです。理由は「セロトニン分泌が日照時間の影響を受けることが報告されている」からです。

特に重要とされるのは、休暇の終盤から少しずつ生活リズムを戻すことであると考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

長期休暇後のメンタルの不調は、多くの方が経験するごく自然な反応です。生活リズムを整え、朝の日光浴や食事の工夫を取り入れることで、こころと体のバランスが少しずつ回復していく可能性があります。

ただし、2週間以上にわたって気分の落ち込みが続く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:五月病・九月病の違いと長期休暇後のメンタルケア

五月病・九月病の違いと長期休暇後のメンタルケアについてまとめた表です。五月病と九月病の違いについて、五月病は新年度の緊張からの燃え尽き、九月病は夏休み明けの適応困難と日照時間の減少が背景にあります。日照時間とセロトニンの関係については、セロトニン分泌は日光を浴びる時間に影響を受け、秋に向かう時期は低下しやすいです。生活リズムの維持としては、休暇終盤2〜3日から起床時間を平日に近づけることがポイントです。食事の工夫としては、トリプトファンを含む食品(バナナ・大豆製品・乳製品)を朝食にとるようにします。機能性表示食品の補助活用については、GABAやトリプトファン含有食品はストレス軽減の可能性がありますが、あくまで補助として活用します。

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