
監修者精神科・心療内科
デジタルデトックスは、生活全体を一気に変えようとせず、「就寝前30分はスマホを見ない」など続けやすい工夫をひとつだけ選んで始めるのがおすすめです。スマホの利用を控える期間を設けると、気分や睡眠の質によい方向の変化があるかもしれません。夏休みは生活リズムが変わりやすい時期なので、まずは小さな一歩から試してみましょう。
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デジタルデトックスは何から始めればいい?→ まずは「ひとつだけ」試すことから始めましょう
通知をオフにする、画面をグレースケール(白黒表示)にする、スマホを目につかない場所に置くなど、いくつかの工夫の中から自分に合うものをひとつ選んで実践する方法があります。このような方法で、スマホの利用時間や気分の落ち込みが改善し、睡眠の質もよくなったという報告があります[International Journal of Mental Health and Addiction. 2022.]。この研究では効果が少なくとも6週間続いたことも確認されており[同上]、無理に全部を一度に変えようとせず、続けやすいものから始めることが夏休みのようなまとまった時間には特に向いていると考えられます。
夏休みに試しやすい具体的な一歩は?→ 就寝前30分はスマホを見ないことです
睡眠の質があまりよくないと感じている方を対象にした研究では、就寝前30分ほどスマホの使用を控えることで、寝つきやすさや睡眠時間、睡眠の質が改善し、気分も前向きになったと報告されています[PLoS One. 2020;15(2):e0228756.]。夏休みは夜更かししやすい時期だからこそ、この「寝る前だけスマホを見ない」というルールから始めるのがおすすめです。
スマホの利用を減らすと心にどんな変化が期待できる?→ 気分の落ち込みやストレスが和らぐことに役立つ可能性があります
大学生を対象にスマホの利用時間を一定期間控えてもらった研究では、気分の落ち込みやストレス、睡眠の質、心の健やかさの指標に小〜中程度の改善がみられたとされています[BMC Medicine. 2025;23(1):107.]。ただし、この研究ではスマホの利用をもとの生活に戻すと効果も薄れていく傾向がみられており[同上]、一度だけで終わらせず、無理のない範囲で続けられる形で取り入れることが大切と考えられます。
デジタルデトックスを続けるコツは?→ 就寝前はスマホの光を控えることが公的にも推奨されています
厚生労働省の睡眠に関する指針でも、寝る前や寝床でのスマートフォンやパソコンの使用が、ぐっすり眠れたという感覚を妨げる要因になるとして、就寝前のデジタル機器の使い方に気をつけることが推奨されています[厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.]。夏休みの間に「寝る前はスマホを見ない」習慣が身につけば、新学期以降の生活リズムを整えるうえでも役立つ工夫になると考えられます。

ここだけは伝えたいメッセージ
デジタルデトックスは、スマホをやめること自体が目的ではなく、生活の中でスマホとの付き合い方を少し見直すための工夫です。夏休みという時間に余裕が生まれやすい時期に、通知オフや就寝前のルールなど、続けられそうなことをひとつだけ選んで試してみると、気分や睡眠によい変化を感じられるかもしれません。なお、スマホの利用や気分の落ち込みが気になり、日常生活に支障を感じる場合は、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:デジタルデトックスの始め方のポイント
- まずひとつだけ選ぶ: 通知オフやグレースケール表示など、続けやすい工夫をひとつ選んで始めると無理なく続けやすいと考えられます
- 就寝前30分はスマホを見ない: 夏休みに試しやすい具体的な一歩として、睡眠の質や気分の改善に役立つかもしれません
- 完璧を求めない: 効果が薄れてきても再開してよいと考え、長い目で取り組むことが大切です
- 夜のデジタル機器の使い方に気をつける: 公的な睡眠の指針でも推奨されている習慣です
- 気になる場合は医療機関へ: スマホがないと不安になったり、気分の落ち込みが心配なったりしたときは、医療機関への相談をご検討ください
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(参考文献)
Pieh C, Humer E, Hoenigl A, Schwab J, Mayerhofer D, Dale R, Haider K. Smartphone screen time reduction improves mental health: a randomized controlled trial. BMC Medicine. 2025;23(1):107. PMID: 39985031.
He JW, Tu ZH, Xiao L, Su T, Tang YX. Effect of restricting bedtime mobile phone use on sleep, arousal, mood, and working memory: A randomized pilot trial. PLoS One. 2020;15(2):e0228756. PMID: 32040492.
Olson JA, Sandra DA, Chmoulevitch D, Raz A, Veissiere SPL. A Nudge-Based Intervention to Reduce Problematic Smartphone Use: Randomised Controlled Trial. International Journal of Mental Health and Addiction. 2022 (online ahead of print). PMID: 35600564.
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年一部修正). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html.(参照 2026-09-04).






