夏になるとイライラしやすくなるのはなぜ?暑さと感情コントロールの関係や、食事での対策を教えてください。
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夏になるとイライラしやすくなるのはなぜ?暑さと感情コントロールの関係や、食事での対策を教えてください。

山﨑 龍一監修者

こころの港クリニック 京橋・東京駅前 精神科・心療内科

山﨑 龍一

暑さによる自律神経の乱れやストレスホルモンの変化が、感情のコントロールを難しくする可能性があります。

暑さとイライラの関係|なぜ夏は感情が不安定になりやすいのか

夏場に「いつもよりイライラする」「些細なことで怒りっぽくなる」と感じる方は少なくありません。その背景には、暑さが心身に与える影響が関係しています。気温の上昇は体温調節のために自律神経(じりつしんけい=内臓や血管の働きを無意識に調整する神経)に大きな負担をかけ、交感神経が優位になりやすい状態をつくります。この状態が続くと、ストレスへの耐性が低下し、感情のコントロールが難しくなる可能性があることが報告されています[Lancet Planet Health. 2023;7(7):e580-e589.]。

暑さとメンタルヘルスの研究|気温上昇と精神的不調

複数の大規模研究を統合した分析では、気温の上昇がうつ症状や不安、攻撃性の増加と関連することが示されています[Environ Int. 2021;153:106533.]。暑さは睡眠の質を下げ、疲労を蓄積させるため、日中の感情コントロールにも影響を及ぼすと考えられています。特に連日の猛暑が続くと、疲労が十分に回復できず、イライラ感が慢性化しやすくなります。

夏のイライラ対策|生活習慣と食事での工夫

イライラ対策の基本は、暑さによるストレスをできるだけ軽減することです。室内では適切にエアコンを使い、深部体温の上昇を抑えることが推奨されます。また、食事面では、リラックスに関わるアミノ酸であるテアニン(お茶に多く含まれる成分)を意識的に摂取することが、ストレス管理に寄与する可能性があります[Plant Foods Hum Nutr. 2020;75(1):12-23.]。こまめな水分補給も、暑さによる体への負担を減らすうえで重要です。

GABAやテアニンを含む機能性表示食品の活用

日常の食事に加え、ストレス軽減を目的とした機能性表示食品を補助的に活用する方法もあります。GABA(ガンマアミノ酪酸=体内にも存在するアミノ酸の一種)を経口摂取した場合、ストレスや不安の軽減に寄与する可能性がいくつかの研究で報告されています[Front Neurosci. 2020;14:923.]。また、テアニンを含むサプリメントや飲料についても、ストレスや不安の管理によい影響を与える可能性が示されています[Plant Foods Hum Nutr. 2020;75(1):12-23.]。ただし、これらはあくまで日常生活の補助であり、生活習慣の改善が基本となります。なお、効果には個人差があります。

夏のイライラ対策を考えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

夏のイライラ対策として日常生活の工夫について、3つのコツと内容、理由をまとめた表です。1つ目は「室温を適切に管理する」で、内容は「エアコンで室温26〜28℃を目安に調整する」ことです。理由は「暑さによる自律神経の負担を軽減し、感情の安定につながる可能性がある」からです。2つ目は「こまめな水分補給を心がける」で、内容は「喉が渇く前に少量ずつ飲む」ことです。理由は「脱水は疲労感やイライラ感を悪化させる可能性がある」からです。3つ目は「テアニンを含む緑茶を取り入れる」で、内容は「日中にカフェイン量に注意しながら飲む」ことです。理由は「テアニンがストレス管理に寄与する可能性が報告されている」からです。

特に重要とされるのは、室温の管理とこまめな水分補給で暑さによるストレスを最小限にすることであると考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

夏のイライラは「気持ちの問題」ではなく、暑さが体やこころに与える影響のひとつです。室温管理や水分補給、食事の工夫を通じて、暑い季節でも穏やかに過ごせる環境を整えていきましょう。

ただし、自身で制御できないようなイライラや攻撃性が長期間続く場合や、人間関係に影響が出ている場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:暑さとイライラの関係と夏のメンタルケア

暑さとイライラの関係と夏のメンタルケアについてまとめた表です。暑さとイライラの関係は、暑さで自律神経に負担がかかり、交感神経優位の状態が続くと感情が不安定になりやすいことです。研究結果として、気温上昇とうつ症状・不安・攻撃性の増加との関連が報告されています。対策として、室温管理はエアコンで26〜28℃を目安に調整します。水分補給は、喉が渇く前にこまめに少量ずつとります。機能性表示食品の補助活用については、GABAやテアニン含有食品はストレス軽減の可能性がありますが、あくまで補助として活用します。

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