

監修者富士在宅診療所 一般内科
形状による吸収の差は小さく、続けやすい方法を選ぶことが大切です。タンパク質の種類などにも注目すると、夏バテ時の補給に役立つ可能性があります。
タンパク質が不足すると体にどんな影響があるか
タンパク質は、筋肉や臓器、免疫細胞のもとになる栄養素です。不足すると体力の低下や免疫機能の低下につながることが示されています[厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」]。夏バテで食欲が落ちている時期は食事量が減りやすく、タンパク質が不足しがちです。食事だけで十分な量を確保しにくい場合には、プロテインドリンクやプロテインバーを活用することも選択肢のひとつです。
プロテインドリンクとプロテインバーの違い|吸収面の比較
「ドリンクのほうが吸収が早い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、健康な成人女性を対象にした研究では、固形のバーと液体のドリンクで摂取後の血中アミノ酸の総量に差がなかったと報告されています[Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2023;33(5):247-254.]。つまり、形状そのものよりも続けやすい方法を選ぶことが大切と考えられます。
夏バテで食欲がないときのタンパク質補給の工夫
食欲がない時期にプロテイン製品を摂ると、「そのあとの食事が食べられなくなるのでは」と心配する方もいるでしょう。高齢者を対象にした研究によると、ホエイプロテインを摂取したあとでもビュッフェ形式の食事の摂取量は大きく抑制されませんでした[Am J Clin Nutr. 2017;106(3):865-877.]。この結果は、プロテイン製品の摂取が、その後の食事量を大幅に減らすとは限らないことを示唆しています。
ただし、この研究は高齢者を対象としたものであり、すべての年齢層に同じことが当てはまるわけではありません。食欲や体調には個人差があるため、自分の状態に合わせて無理なく取り入れることが大切です。
タンパク質の種類による満腹感の違いと選び方
プロテイン製品に使われるタンパク質には、主にホエイ(乳清)、カゼイン(牛乳由来)、大豆の3種類があります。これらのタンパク質は種類によって摂取後の満腹感が異なることが確認されています[Physiol Behav. 2009;96(4-5):675-82.]。
夏バテで食欲がないときに「満腹感が強すぎて食事が進まない」という状況を避けたい場合は、タンパク質の種類にも注目して製品を選ぶことがポイントになります。満腹感が比較的穏やかなタイプを選ぶことで、食事との両立がしやすくなる可能性があります。
夏バテ時のタンパク質補給を続けるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、形状にこだわりすぎず、自分が続けやすい方法を選ぶことと考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
夏バテで食欲が落ちているときこそ、タンパク質を意識して補給することが体力や免疫機能の維持に役立つ可能性があります。プロテインドリンクとプロテインバーに吸収面での大きな差はないため、自分が取り入れやすい形を選んで無理なく続けることが大切です。
体調不良が長引く場合や、食事がほとんどとれない状態が続く場合には、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:夏バテ時のタンパク質補給のポイント
- タンパク質の役割: 筋肉・臓器・免疫細胞のもとになる栄養素で、不足すると体力や免疫機能の低下につながる可能性がある
- ドリンクとバーの違い: 形状が違っても吸収されるアミノ酸の総量に大きな差はなく、続けやすさで選ぶことが大切
- 食事への影響: プロテイン摂取後もその後の食事量は大幅には減らないとする報告がある
- タンパク質の種類: ホエイ・カゼイン・大豆で満腹感に違いがあり、食欲が低いときは種類にも注目して選ぶとよい
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(参考文献)
van Lieshout GAA, Trommelen J, Nyakayiru J, et al. The Postprandial Plasma Amino Acid Response Does Not Differ Following the Ingestion of a Solid Versus a Liquid Milk Protein Product in Healthy Adult Females. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2023;33(5):247-254.
Koopman R, Crombach N, Gijsen AP, et al. Ingestion of a protein hydrolysate is accompanied by an accelerated in vivo digestion and absorption rate when compared with its intact protein. Am J Clin Nutr. 2009;90(1):106-15.
Giezenaar C, Trahair LG, Luscombe-Marsh ND, et al. Effects of randomized whey-protein loads on energy intake, appetite, gastric emptying, and plasma gut-hormone concentrations in older men and women. Am J Clin Nutr. 2017;106(3):865-877.
Veldhorst MAB, Nieuwenhuizen AG, Hochstenbach-Waelen A, et al. Dose-dependent satiating effect of whey relative to casein or soy. Physiol Behav. 2009;96(4-5):675-82.
厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」
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