

監修者無所属 薬剤師
額を含むTゾーンは皮脂分泌を抑える成分(ナイアシンアミドなど)、頬は保湿を重視したケアを心がける、という部位ごとの成分選びが選択肢として知られています。ただし、保湿量自体は部位による差が小さいという報告もあり、頬が極端に乾燥していると思い込みすぎないことも大切です。
食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。
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Tゾーンと頬で皮脂量に差がある根拠
健康な女性30名(追跡24名)を対象に、額と頬の皮脂量・保湿量を測定した研究では、額の皮脂量(96.17±12.29 μg/cm²)は頬(38.12±4.07 μg/cm²)よりも明確に多く、統計的に有意な差が確認されています[Sci Rep. 2016;6:36062.]。一方、保湿量(うるおいの指標)については、額と頬の間で有意な差は見られませんでした。つまり「Tゾーンは皮脂が多い」という違いは客観的に確認されている一方、「頬は極端に乾燥している」とまでは言えない、という点は覚えておくとよいでしょう。
皮脂を抑える成分(ナイアシンアミド)
Tゾーンなど皮脂が気になる部位のケアでは、ナイアシンアミドという成分が選択肢のひとつです。日本人100名を対象に、2%ナイアシンアミド配合の保湿剤またはプラセボ保湿剤を顔全体に1日2回・4週間使用してもらった二重盲検試験では、前額部で測定した皮脂分泌率が、2週目・4週目のいずれの時点でもプラセボ群と比べて有意に低下したことが報告されています[J Cosmet Laser Ther. 2006;8(2):96-101.]。この試験は顔全体への塗布試験であり、Tゾーンだけに絞って塗布したものではありませんが、測定自体は皮脂の多い前額部で行われており、Tゾーンの皮脂ケアを考えるうえで参考になる結果と言えます。
部位別スキンケアの整え方
混合肌の場合、洗顔料や保湿剤を顔全体で一種類に統一するのではなく、Tゾーンには皮脂を抑える成分を含むアイテムを、頬には保湿を重視したアイテムを、といった部位ごとの使い分けがひとつの工夫になります。ただし前述のとおり、頬の乾燥の程度には個人差があり、必要以上に「乾燥対策」を重ねると逆にべたつきの原因になることもあるため、自分の肌の状態を見ながら調整することが望ましいと考えられます。
部位別スキンケアで日常生活の工夫として検討が推奨される点

部位ごとの違いを踏まえつつ、肌の状態に合わせて調整することが、特に重要と考えられます。
ここだけは伝えたいメッセージ
混合肌が気になる場合は、Tゾーンには皮脂を抑える成分、頬には保湿成分を重視したアイテムを、というように部位ごとに使い分けることがひとつの工夫になります。ただし、肌の状態は季節や体調によって変わるため、決まったケアに固執せず調整することも大切です。赤みやかゆみなどの症状が続く場合は、皮膚科など医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:混合肌の部位別スキンケア習慣の整え方
- 皮脂量の違い:額の皮脂量は頬より統計的に有意に多いことが報告されていますが、保湿量(うるおい)自体には額・頬間で有意な差はみられていません
- 皮脂を抑える成分:ナイアシンアミドを顔全体に4週間使用した試験で、前額部の皮脂分泌率の有意な低下が報告されています
- 整え方の工夫:Tゾーンと頬でアイテムを使い分けつつ、保湿剤のつけすぎに注意し、肌の状態を見ながら調整することが推奨されます
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(参考文献)
Mukherjee S, et al. Sebum and Hydration Levels in Specific Regions of Human Face Significantly Predict the Nature and Diversity of Facial Skin Microbiome. Sci Rep. 2016;6:36062.
Draelos ZD, Matsubara A, Smiles K. The effect of 2% niacinamide on facial sebum production. J Cosmet Laser Ther. 2006;8(2):96-101.
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