
夏バテ中にアイスや冷たい麺ばかり食べてしまうのはなぜ?血糖値スパイクの抑え方を教えてください。
監修者医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
冷たくて甘いものへの偏りは、食後血糖値の急上昇と急降下を繰り返す「血糖値スパイク」が背景にある可能性があります。たんぱく質や食物繊維を先に摂ることで緩和が期待できます。
夏バテ中に甘いもの・冷たいものに偏る理由|「食べやすさ」の落とし穴
夏バテで食欲が落ちると、「とにかく食べられるもの」として、アイスクリーム、そうめん、冷やし中華など糖質が多く冷たい食べ物に偏りがちです。冷たい飲食物は胃の収縮頻度を低下させ、食事量そのものを減らす傾向があると報告されています[Eur J Nutr. 2020;59(1):103-109.]。
その結果、「食べにくいおかずは残して、麺や甘いものだけ食べる」という食行動が定着しやすくなります。しかし、糖質に偏った食事は血糖値の急激な変動を招く要因となる可能性があります。
血糖値スパイクとは|急上昇→急降下→再び甘いものが欲しくなる悪循環
糖質の多い食事をとると、食後に血糖値が急上昇します。これに対して体はインスリンを分泌して血糖値を下げようとしますが、糖質が一度に大量に入ると、インスリンが過剰に分泌されることがあります。その結果、食後2〜5時間で血糖値が急降下し、だるさや空腹感が生じます。これを「反応性低血糖」といいます[Sisli Etfal Hastan Tip Bul. 2019;53(3):215-220.]。
こうした血糖値の乱高下は、血管にダメージを与え、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。血糖値が下がると再び空腹感が生じ、「甘いもの・糖質の多いもの」が欲しくなり、食べるとまた血糖値が急上昇する——。夏バテで食事が糖質中心に偏っている方は、無意識のうちにこうした悪循環に入っている可能性があります。
血糖値の乱高下を断ち切る食事の工夫
こうした血糖値の乱高下を断ち切るカギは、食事の仕方を工夫することです。
1つ目は、食事の最初にたんぱく質や食物繊維を摂ることです。冷たい麺を食べるときでも、先にサラダや冷やっこを食べる、温泉卵や鶏ささみをトッピングするなどの工夫が検討されます。
2つ目は、間食を高たんぱく・低糖質のものに置き換えることです。アイスクリームの代わりに、乳酸菌を含むヨーグルトやプロテインヨーグルトを選ぶと、血糖値の急上昇を抑えながら腸内環境のサポートも期待できます。
ただし、これらは健康維持をサポートするものであり、病気を予防したり治したりするものではありません。
夏バテ中の血糖値管理で日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、糖質を「やめる」のではなく、たんぱく質や食物繊維を「足す」発想で血糖値の急変動を防ぐことと考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
夏バテで冷たいものや甘いものに頼ってしまうのは自然なことです。自分を責める必要はありません。ただ、「卵を1個足す」「ヨーグルトに替える」といった小さな工夫で、血糖値の乱高下を和らげることが期待できます。
ただし、食後に強いだるさや冷や汗、手の震えを繰り返す場合は、反応性低血糖やインスリン分泌の異常が隠れている可能性があります。また、甘いものへの依存感が強く、自分でコントロールできないと感じる場合は、医療機関への受診をご検討ください。
まとめ:血糖値スパイクを「足す工夫」で穏やかにする。
- 血糖値スパイクとは:糖質過多の食事→血糖急上昇→インスリン過剰分泌→血糖急降下→再び甘いものが欲しくなる悪循環
- 夏バテとの関係:冷たくて食べやすい糖質中心の食事に偏ることで悪循環に陥りやすい
- 断ち切るコツ:麺類にたんぱく質をトッピング、間食をヨーグルトに置き換え、食事の最初に食物繊維
- 注意:食後の強いだるさ・冷や汗・手の震えが繰り返される場合は、医療機関への受診をご検討ください
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