ROS1（ロスワン）阻害薬とはなんですか？

ROS1阻害薬は、ROS1融合遺伝子陽性のがんの治療に用いられる分子標的薬です。

主な特徴は以下の通りです。

作用機序

ROS1タンパク質のチロシンキナーゼ活性を特異的に阻害し、がん細胞の増殖シグナルを遮断します。

効果

ROS1融合遺伝子陽性の肺がんに対して高い奏効率を示し、従来の化学療法よりも長期の無増悪生存期間が得られることがあります。

投与方法

多くは経口薬で、毎日服用します。

代表的な薬剤

クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、ロルラチニブなどがあります。

副作用

一般的な化学療法と比べて副作用は軽度ですが、視覚障害、肝機能障害、消化器症状などが起こることがあります。

使用対象

ROS1融合遺伝子陽性が確認された非小細胞肺がん患者さんが対象となります。

この薬剤の使用には、事前にROS1融合遺伝子の検査が必要です。個別化医療の重要な例として、がん治療の進歩を示しています。