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片頭痛の予防薬の一覧|新しい薬と従来薬は何が違う?

医師の監修は本記事の医学的内容に限られます。記事内で紹介する製品の選定は監修者によるものではなく、監修者が製品の効果・効能を保証するものではありません。


片頭痛予防薬の一覧を、注射・新しい飲み薬・従来薬の3グループに整理します。近年は飲み薬の選択肢も加わりました。新しい薬と従来薬は何が違うのか、自分に合うグループをどこで判断するのかを解説します。


Q.片頭痛の予防薬にはどのようなグループがある?

3グループに分けて整理します。すべて医師の処方が必要な薬です。

片頭痛の予防薬を3つのグループに分けた一覧表です。①CGRP関連薬(注射)は、皮下注射で4週間に1回、または12週間に1回、国内で使えるようになったのは2021年以降、薬のカテゴリーは抗CGRP抗体、抗CGRP受容体抗体。②CGRP関連薬(飲み薬)は、内服で1日1回、または2日1回、2025年12月以降、経口のCGRP受容体拮抗薬(ゲパント)。③従来から使われている予防薬は、内服で1日1-3回、薬によって内服頻度は異なり、以前から使われている、β遮断薬、抗てんかん薬、カルシウム拮抗薬などです。

①と②はどちらもCGRPの経路に作用する薬です。注射と飲み薬の違いは[片頭痛の予防薬にはどんな種類がある?]で解説しています。


Q.新しい薬(CGRP関連)と従来薬はどこが違う?

作用の考え方が違います。

従来薬は、もともと別の目的で使われていた薬が片頭痛の予防にも効果を示したことから使われてきました。既に承認されている予防薬として挙げられているのは、β遮断薬(血圧などに使われる薬)、抗てんかん薬、カルシウム拮抗薬などです。

一方CGRP関連薬は、片頭痛の痛みが起こる仕組みそのものに的を絞って作られた薬です。片頭痛の発作時にはCGRPという物質が過剰に放出され、血管の拡張や神経の炎症を起こして痛みにつながることが分かっています。CGRP関連薬はこの経路に作用します。

また、学会ではCGRP関連薬を従来薬と同等に予防薬の第一選択に含めることを推奨しています。新しいから後回しにする薬、という位置づけではありません。

ただし保険で使う際の条件は別に定められています。この条件(最適使用推進ガイドライン)が定められているのはCGRP関連薬の注射のみで、飲み薬は対象外です。CGRP関連抗体薬では、次の条件をすべて満たす患者が対象とされています。

  • 前兆のある・ない片頭痛の発作が月に複数回以上、または慢性片頭痛と確認されている
  • 投与開始前3か月以上で、1か月あたりの片頭痛日数が平均4日以上
  • 生活習慣の指導と発作時の治療を行っても、日常生活に支障がある
  • 既承認の発症抑制薬(β遮断薬・抗てんかん薬など)が、効果不十分・忍容性・禁忌などの理由で使えないか続けられない

つまり注射については従来薬を試す段階が制度上は先に置かれています。学会の推奨と保険の条件は別の話なので、ここを分けて理解しておくと医師との相談がしやすくなります。


Q.自分に合うのはどのグループ?どこで判断する?

判断は診察の場で行われます。医師が考慮するのは主に次の点です。

片頭痛の予防薬を選ぶときに医師が考慮する判断の材料をまとめた表です。頭痛の日数と生活への支障では、予防療法を検討する目安は生活に支障がある頭痛が月3日以上。これまでに試した予防薬と、その結果では、効かなかったのか、副作用で続けられなかったのか。持病と、飲んでいる他の薬では、薬によって避けるべき場合や減量が必要な場合がある。注射か内服かの希望では、通院を続けられるか。妊娠の予定や授乳の有無は、CGRP関連抗体薬では休薬を考慮する状況として挙げられている。費用の見通しでは、経済的な負担があり、高額療養費制度があることが見られます。

受診時に持っていくと判断が早くなるものは、頭痛があった日数と痛み止めを飲んだ日数の記録です。記録のしかたは[痛み止めを毎日飲んでも大丈夫?]で解説しています。

なお予防薬は、使い始めたら続けるという性質のものではありません。CGRP関連抗体薬では投与開始後3か月(3回投与後)を目安に効果を評価し、改善がなければ中止を考えるとされています。合わなければ見直す前提の治療です。


Q.すぐに受診が必要な危険な頭痛のサインとは?

次のような頭痛は、予防の相談より先に受診が必要です。

  • これまでに経験がないひどい頭痛
  • 突発して短時間でピークに達するような頭痛
  • 熱がある、手足の麻痺やしびれを伴う場合は至急
  • 数週間のうちに悪化していく頭痛

頭痛外来・脳神経内科・脳神経外科などの受診をご検討ください。頭痛薬が効かない状態が続いている場合の相談先は[頭痛薬が効かないのはなぜ?]で解説しています。

なお予防薬は自己判断で中止せず、続けるかどうかを医師と決めます。


よくある疑問とその回答

Q. 予防薬を併用することはありますか?

あります。効果をみて既存の薬の減量や中止を検討するとされます。

Q. 一覧にある薬はどれも同じくらい効きますか?

直接比べた結果はなく、個人差があります。


まとめ

片頭痛予防薬の一覧は、CGRP関連薬の注射と飲み薬、従来からの予防薬の3グループに整理できます。従来薬は別の目的の薬を予防に使うもの、CGRP関連薬は痛みの仕組みに的を絞った薬です。どれが合うかは、頭痛の日数・治療歴・持病・注射か内服かの希望などから診察で判断されます。注射に抵抗があれば飲み薬という選択肢もあるため、医療機関へのご相談をご検討ください。


出典

・日本頭痛学会「CGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)」 (2026年8月26日閲覧)

https://www.jhsnet.net/guideline_CGRP.html

・日本頭痛学会「成人の片頭痛予防療法におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体薬の使用に関する日本頭痛学会のポジションステートメント」2025年10月27日 (2026年8月26日閲覧)

https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_cgrp.pdf

・日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修「頭痛の診療ガイドライン2021」医学書院、2021年 (2026年8月26日閲覧)

https://www.jhsnet.net/guideline.html

・日本頭痛学会 診療向上委員会「CGRP関連抗体薬の休薬と再開に関するエキスパートオピニオン(2024年12月改訂)」 (2026年8月30日閲覧。文献1のページに「エキスパートオピニオン」として掲載)

https://www.jhsnet.net/GUIDELINE/CGRP/13.pdf

・日本頭痛学会「頭痛とは/頭痛がおこったら/頭痛の分類」 (2026年8月30日閲覧)

https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_kaisetu_01.html

・厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 (2026年8月26日閲覧)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html

本記事は 2026年10月1日 の情報に基づいて作成されています。最新の情報は各出典元でご確認ください

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