エルロチニブ塩酸塩(タルセバⓇ)には、どのような効果がありますか?
このお薬は、 がん細胞の増殖を抑え、特定の非小細胞肺がんや膵がんの治療に用いられます。
エルロチニブ塩酸塩(タルセバⓇ)は、抗悪性腫瘍剤のひとつで、「上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤」という種類の薬です。この薬は、がん細胞が増えるために必要な「EGFR」というタンパク質の働きを、選んで抑えることにより、がんの増殖を抑えると考えられています。
具体的には、次の病気の治療に使われます。
非小細胞肺がん
- 切除できない、再発または進行した非小細胞肺がんで、これまでの抗がん剤治療後に病気が悪化した方
- EGFR遺伝子に変異がある切除できない、再発または進行した非小細胞肺がんで、まだ抗がん剤治療を受けていない方
- EGFR遺伝子変異がある未治療の非小細胞肺がんの方を対象とした海外の臨床試験では、この薬を使ったグループの病気の進行を抑える期間(無増悪生存期間)の中央値が9.4ヶ月と、化学療法単独のグループの5.2ヶ月よりも長かったことが示されています。
- また、奏効率(治療がどれだけ効果があったかを示す割合)も、この薬を使ったグループで54.5%と、化学療法単独の10.5%より高かったと報告されています。
- 国内の臨床試験でも、EGFR遺伝子変異がある未治療の非小細胞肺がんで、無増悪生存期間の中央値が11.8ヶ月、奏効率が78.4%という結果が出ています。
治癒切除できない膵がん
- ゲムシタビンという別の抗がん剤と併用して用いられます。
- 臨床試験では、全生存期間の中央値がエルロチニブとゲムシタビンの併用群で6.37ヶ月と、プラセボとゲムシタビンの併用群の5.91ヶ月より長く、病気の進行を抑える期間(無増悪生存期間)も有意な延長が認められました。
ただし、いずれのがん種においても、手術後の補助的な治療としての有効性や安全性は、まだ確かめられていません。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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