骨粗鬆症の治療薬であるアレンドロン酸ナトリウム(フォサマックⓇ、ボナロンⓇ)やリセドロン酸ナトリウム(ベネットⓇ、アクトネルⓇ)で、顎の骨が溶ける副作用が生じる割合はそれぞれどれくらいですか?

アレンドロン酸ナトリウムやリセドロン酸ナトリウムの顎骨壊死の発生頻度は、経口薬の場合0.01~0.04%、経口薬投与中に抜歯された場合0.09~0.34%と報告されています。

解説

国内において、アレンドロン酸ナトリウムやリセドロン酸ナトリウムそれぞれの顎骨壊死の発生頻度は不明ですが、使用期間が長くなるとより高くなる傾向があると考えられています。

オーストラリアにおける報告では、それぞれ以下のような発生頻度であるとされています。

  • がん(悪性腫瘍)の患者さんに対して使用された静注薬で0.88~1.15%
  • 抜歯された患者さんで6.67~9.1%
  • 経口薬で0.01~0.04%
  • 経口薬使用中に抜歯された場合には0.09~0.34%

また、アメリカでは歯科処置を受けた方のうち、経口薬(アレドロン酸ナトリウム)を服用した患者さんの4%に顎骨壊死が発生したとの報告もあります。

報告された症例の多くは、歯科処置(抜歯など)や局所感染(歯周病など)に関連して発現しています。
お薬の服用中に、歯科処置や局所感染を避けることが大切です。

なお、リスクが高くなる因子としては、以下のようなものがあります。

  • 悪性腫瘍
  • 化学療法
  • 血管新生阻害薬
  • コルチコステロイド治療
  • 放射線療法
  • 口の中の不衛生
  • 歯科処置の既往

など

公開日

最終更新日

まつだ整形外科クリニック 整形外科

栗原 信吾 監修

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(参考文献)

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