デキサメタゾンシペシル酸エステル（エリザスⓇ）には、どのような効果がありますか？

デキサメタゾンシペシル酸エステル（エリザスⓇ）の有効成分であるデキサメタゾンシペシル酸エステルは、鼻に噴霧して使用するステロイド薬であり、その効能・効果は「アレルギー性鼻炎」です。

このお薬は、アレルギー性鼻炎の主な3つの症状を改善する効果があります。具体的には、次のような症状です。

• くしゃみ
• 鼻汁（鼻水）
• 鼻閉（鼻づまり）

このお薬は、炎症を抑える作用を持つ「糖質コルチコイド」という種類に属しており、主に鼻の粘膜の局所（患部）で、抗炎症作用や抗アレルギー作用を発揮すると考えられています。

作用機序は、次のような働きによるものです。

• 炎症に関わる細胞（肥満細胞、好酸球、リンパ球）が鼻の粘膜に集まるのを抑える（浸潤の抑制）
• 炎症を引き起こす物質（サイトカインなど）が作られるのを抑える
• 血管から水分が漏れ出るのを抑える（血管透過性の抑制）
• 鼻の分泌物（鼻水）を抑える（腺分泌の抑制）

この薬の効果と安全性を調べるため、アレルギー性鼻炎の患者406人を対象に実施された臨床試験では、このお薬（400μg/日）と比較薬（フルチカゾン200μg/日）、または偽薬（プラセボ）を2週間投与して効果を比べたところ、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状について比較薬と同様の効果があり、プラセボよりも優れていることが示されました。