マキサカルシトール・ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル（マーデュオックスⓇ）は乾癬に効果がありますか？

乾癬にはいくつかの種類がありますが、全体の9割を占めるのが「尋常性乾癬」です。
尋常性乾癬では、炎症の原因物質（炎症性サイトカイン）が過剰につくられることで皮膚の炎症・表皮細胞の異常な増殖が起こり、皮膚が赤く盛り上がって銀白色の細かいフケが浮いてはがれ落ちます。

これに対して、マーデュオックスⓇ軟膏は、活性型ビタミンD3とステロイドの2つの成分をひとつにした塗り薬です。両成分に乾癬の皮膚症状を改善する効果があり、尋常性乾癬の治療に用いられます。マーデュオックスⓇ軟膏を1日1回・4週間使用する研究では、患者さんのPSIスコア（※）が約18から約4.5まで改善したことが報告されました。
※PSIスコア…乾癬の赤み、皮膚の盛り上がり、鱗屑（フケ）の症状を0点～24点で点数化したもの。

それぞれの成分の効果は以下のとおりです。

活性型ビタミンD3（成分名：マキサカルシトール）

表皮細胞の異常な増殖を抑え、角質のターンオーバー（入れ替わり）の周期を調節するなどの働きがあります。

ステロイド（成分名：ベタメタゾンジプロピオン酸エステル）

非常に強いクラス（5段階のうち2番目）のステロイド剤で、炎症性サイトカインなどを減らすことで皮膚の炎症を抑える働きがあります。

目や粘膜には使えないなどの使用上の注意があります。治療においては必ず医師の指示に従ってください。