【医師監修】HPVとは?感染から子宮頸がんに至る仕組み
この記事でわかること
- HPV(ヒトパピローマウイルス)とは何か・主な感染経路
- HPVが子宮頸がんに至る仕組みと、高リスク型・低リスク型の違い
- 子宮頸がん検診の必要性(ワクチンと検診の組み合わせ)
Q.ヒトパピローマウイルス(HPV)とは何ですか?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、200種類以上の型があります。主に性的な接触でうつり、性的な接触を経験した人の多くが一生のうちに一度は感染するといわれています。
感染しても約90%は体の免疫の力で自然に取り除かれます。しかし、ウイルスが排除されずに長く残り続けると、10〜20年ほどかけてがんに進むことがあります。
子宮頸がんの患者さんからはほぼ全員(99.7%)でHPVが見つかっており、特にHPV16型と18型が子宮頸がん全体の約60%を占めると報告されています。
Q.HPVにはどんな種類がありますか?
HPVの型は、がんとの関わりの強さによって大きく2つに分けられます。がんの原因になりやすい「高リスク型」と、がんにはならない「低リスク型」です。子宮頸がんの原因として特に多いのはHPV16型と18型で、子宮頸がん全体の約60%を占めると報告されています。
| HPVの分類 | 該当する型 | 関連する病気 |
|---|---|---|
| がんの原因になりやすい型(高リスク型) | HPV16・18・31・33・45・52・58型など | 子宮頸がん、のどのがん、肛門のがん |
| がんにはならない型(低リスク型) | HPV6・11型など | 尖圭コンジローマ(性器のイボ) |
Q.子宮頸がんの検診は受けたほうがよいですか?
子宮頸がんは初期にはほとんど症状がありません。そのため、20歳以上の方は2年に1回の子宮頸がん検診を受けることがすすめられています。
HPVワクチンを受けた方も検診は必要です。ワクチンで防げるのは原因となるウイルスの型の一部で、2価・4価ワクチンでは子宮頸がん全体の約6割、9価ワクチンでは約7割に関わる型をカバーします。100%の予防ではないため、ワクチンと検診を組み合わせることが大切です。
性交渉の経験がない方は、子宮頸がんの原因のほとんどがHPV感染であるため、子宮頸がんになる可能性は低いと考えられます。ただし、子宮や卵巣にかかわる他の病気もあるため、月経以外の出血など気になる症状がある場合は産婦人科を受診してください。診察の際は、性的な接触の経験がないことを伝えていただければ、検査の方法を工夫することができます。
出典
・Walboomers JM, et al. "Human papillomavirus is a necessary cause of invasive cervical cancer worldwide." J Pathol. 1999;189(1):12-19.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10451482/
・Palmer M, Katanoda K, Saito E, et al. "Genotype prevalence and age distribution of human papillomavirus from infection to cervical cancer in Japanese women: A systematic review and meta-analysis." Vaccine. 2022;40(41):5971-5996.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36085257/
・国立がん研究センター「科学的根拠に基づくがん予防 ファクトシート」(2025年版)
https://www.ncc.go.jp/jp/icc/project/Cross-Organizational/factsheet/Factsheet_fix_2025.pdf
・国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん検診について」
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/cervix_uteri.html
本記事は 2026年6月5日 の情報に基づいて作成されています。最新の情報は各出典元でご確認ください